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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

仏教の根本にあるもの

2009年01月09日 19時26分53秒 | ■見る
NHKビデオ刊。心の時代 宗教・人生セレクション~仏の教え~。
大谷大学の学長である小川一乗さんが、仏教の根本にある「因果」などを分かり易く解説しています。例えば『因果応報』という言葉は、仏教に固有の考え方かと思っていましたが、そうではない。釈迦が生まれた当時、インドで信じられていた概念だそうです。この因果応報を認めると、例えば、前世で悪いことをしたので今生では身分の低いカーストに生まれた、などの差別を是認してしまうことになる。釈迦は、これを否定しました。例えば、『親子』を考えると『親』がいて『子』が生まれる、と私たちは考えます。しかし、実際は男女から子供が生まれると、生んだ側が『親』になり、生まれた方が『子』になる。また、『農夫と畑』は、ある『人』が土地を耕して、結果として作物を得られるとその『人』が『農夫』になり、その『土地』が『畑』になるに過ぎない。すなわち、こうした事柄同士の関係性を、釈迦は『因果』と呼びました。
そうすると、この世のすべては『因果=関係性』によって授けられた事柄で成り立っている。その『因果=関係性』を取り除くと、そこには何も残らない。すなわち、一切は『空=無』である。というのが、仏教の根本原理であるとのことです。ちなみに、講師の小川さんの妹さんは、40歳台でがんになり亡くなったのだそうですが、多くの詩を残されており、その内のいくつかが紹介されましたが、次の詩が特に心に残りました。
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変換
死に向かって進んでいるのではない
今をもらって生きているのだ
今ゼロであっても当然の私
今生きている
ひき算からたし算の変換
誰が教えてくれたのでしょう
新しい生命
嬉しくて
踊っています
”いのち 日々あらたなり”
うーんわかります
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人生の残り時間が減っていく「ひき算」ではない。今「空」である『私』は、瞬間瞬間に新たな『命』をもらっている。「たし算」なのだ。そう感じた時に『嬉しい』としています。非常に分かり易い内容でした。
評価は5です。

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