
浅田次郎著、朝日文庫刊
歳を重ねる毎に悔いも積み重なっていくようです。反省しても悔やんでも、思い出すだけでも居たたまれない出来事が少しずつ増えて行く。色々な経験を積んで賢くなって来たはずなのに・・・・。
本書は、少年時代と青年期に、後の人生の重いくびきとなる行いをしてしまった主人公が、ふとしたことから霊を召還する異能者に出会い、その心の闇が露わになって行き、やがて・・・。
中々に凝った展開でした。江戸っ子気質を通奏低音と成し、戦後の混乱と復興の時代背景が織りなす物語を読むにつれ、ほぼ同時代を過ごした身には、著者の視点に同感しつつ、苦い思いを共有しました。ある知人が「渡世」をいう言葉を使いましたが、そこには、世の中で生きるためには不本意ながら身過ぎ世過ぎに傾かざるを得ないという苦い思いが籠もっているように感じました。そして、時代の空気を吸って生きざるを得ない宿命をも含んでいるようでした。
浅田さんの作品の美質が結晶化した作品と感じました。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/浅田次郎
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評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
=> カメラまかせ 成り行きまかせ
=> カメラまかせ 成り行きまかせ その2
歳を重ねる毎に悔いも積み重なっていくようです。反省しても悔やんでも、思い出すだけでも居たたまれない出来事が少しずつ増えて行く。色々な経験を積んで賢くなって来たはずなのに・・・・。
本書は、少年時代と青年期に、後の人生の重いくびきとなる行いをしてしまった主人公が、ふとしたことから霊を召還する異能者に出会い、その心の闇が露わになって行き、やがて・・・。
中々に凝った展開でした。江戸っ子気質を通奏低音と成し、戦後の混乱と復興の時代背景が織りなす物語を読むにつれ、ほぼ同時代を過ごした身には、著者の視点に同感しつつ、苦い思いを共有しました。ある知人が「渡世」をいう言葉を使いましたが、そこには、世の中で生きるためには不本意ながら身過ぎ世過ぎに傾かざるを得ないという苦い思いが籠もっているように感じました。そして、時代の空気を吸って生きざるを得ない宿命をも含んでいるようでした。
浅田さんの作品の美質が結晶化した作品と感じました。
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