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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

人体常在菌のはなし-美人は菌でつくられる

2011年05月16日 20時45分14秒 | ■読む
青木皐(のぼる)著、集英社新書刊
何年か前に抗菌グッズが世に出始めた時には、凄い便利なモノが出現したと驚きました。特に、ボールペンなどで他の人が持つ可能性があるものなどは、女性が嫌がるそうで、かなり売れ行きが良かったように聞いています。そして、近年のヒット商品は除菌スプレーです。私は足に汗をかくので、靴の中の消臭に重宝しています。(妻は足に余り汗をかかないようで、靴のにおいは気にならず、当然靴下も臭わないようです。)だから、このように除菌や抗菌の恩恵は大きいものと考えていました。
さて、本書は、人間の体内や皮膚に生存している膨大な数の菌について説明しています。その総数は、人間の人体を構成している細胞の数よりも多いのだそうです!そして人間は出産直後は無菌状態であるものが、外界に出た途端、少しずつ周囲から様々な菌が身体に侵入し、やがて共生の状態になるのだそうです。
似た例として寄生虫があります。本来、身体にとって異物である寄生虫が人間の消化器官の中で生きているのは、人の防疫、免疫反応を抑制する機能がある。しかし、戦後寄生虫の駆除が行き渡った結果、過剰な免疫反応でアトピー反応が生じた、との説があります。
本書では、人間の体内などに共生している菌が、人と上手に共生しているようすを解説していますが、特に皮膚に存在する常在菌が、如何に皮膚の為になっているか、そして、その常在菌を除菌、殺菌剤などで駆除することにより重大な支障が皮膚に及ぼされるかを繰り返し解説しています。
その上で、余りにも自然と乖離した人間の生活の在り方を警告しています。本書は、イメージ先行で、多くの消費を獲得している商品群のマイナス面を明らかにしています。そうであっても、私は靴の除菌を止めるつもりはありませんが、不必要に多用することは避けようと思います。何せ私自身、一時、酷いアトピーで苦労したので、本書の主張は大変参考になりました。
評価は4です。

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