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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

アイデンティティ経済学

2012年05月24日 20時08分03秒 | ■読む
ジョージ・A・アカロフ、レイチェル・E・クラントン著、東洋経済新報社刊
一般に経済学は、合理的に行動するプレーヤー(個人や企業)を想定し、現実の経済的な現象を説明する理屈を構築し、それを用いて、経済動向の予測や施策の立案を支援しているようです。(はなはだ曖昧な表現ですが、経済学をきちんと学んでいないので、私はこのように理解しています。)しかし、現実には、多くにプレーヤーが合理的で無い行動を取っており、それ故に、現実の経済の動向が、理論と食い違っていることが多く見受けられます。
そのため経済学には、様々な新理論が提案されていますが、本書が紹介しているのは、その一つである「アイデンティティ経済学」です。人々の不合理な行動を統一的に理解するには、その人がその人であると自覚している「アイデンティティ」に従った結果なのだとしています。それは「自分は○○である。だから、こうすべきである。あるいはこうすべきではない。」といった、自己規定に基づく規律・規範への服従の結果であるとしています。規範への忠誠心が強ければ強い程、不合理な行動であっても本人にとっては、不合理では無い事になります。
教育、軍隊など、幾つかの分野や世界での不可解な行動の意味を分析し、その背後にある「アイデンティティ」と「規律」を解明しています。それが分かることによって、採るべき対策や政策を立案できるのだとしています。つまり、原因を正しく把握できれば正しい対応ができる、ということです。
本書は、読みにくい文章です。紹介されている例や分析結果に、特段変わった点はありません。しかし、訳者によれば、コロンブスの卵のような著者達の主張は、経済学の分野に大きな栄光を与えるものだとのことです。
内容は難しくないのですが、文章が良くありません。組み立て方も、昔読んだ学習参考書のような感じでイマイチでした。
評価は4です。

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