
桜井由躬雄、石澤良昭、桐山昇著、朝日新聞社刊
学校の世界史で東南アジアは、ほんの少し触れられていたように記憶しています。ヨーロッパや中国、そして、後にアメリカが台頭してくる流れでぼんやりと理解していました。しかし、古代ローマ帝国時代の海のシルクロードや、後の大航海時代のヨーロッパの観点から見た世界的な物流や、金を巡る世界の歴史を見ると、世界史の中でヨーロッパと中国を結ぶ海上交通の要衝として東南アジアが大きな役割を果たしたのだということを、この2,3年で理解して来ました。同時に、ヨーロッパが求めて止まなかった香料の産地が東南アジアであると言うことも。
こうしたことから、本書に興味を持ち紐解いた次第です。インドや中国の影響を大きく受けながら、大陸部と諸島部のそれぞれに個性豊かな歴史があることが本書を読んで理解出来ます。そして、変化に富んだ文化を育んだ歴代の王朝や宗教によって、多くの国の栄枯盛衰と国境の変化が多彩であることは、ヨーロッパと同様です。そうした歴史上、海上交通による富の蓄積や変遷が、この地域に大きな影響をもたらしました。そして、ヨーロッパが産業革命により、多くの生産品の売却先として、また原材料の調達地として植民地を必要とし、東南アジアが収奪されていった過程、その結果として植民地化された領域が、今日の国々の領域が形成されたこと、植民地として宗主国から過酷な収奪を受けたこと、日本の占領による同様な収奪と戦後の独立の動きなどが、コンパクトにまとめられています。
三人の著者による分担執筆で、文章の読みやすさが一様ではありませんが、概観を理解するのに打って付けの書籍です。
評価は4です。
学校の世界史で東南アジアは、ほんの少し触れられていたように記憶しています。ヨーロッパや中国、そして、後にアメリカが台頭してくる流れでぼんやりと理解していました。しかし、古代ローマ帝国時代の海のシルクロードや、後の大航海時代のヨーロッパの観点から見た世界的な物流や、金を巡る世界の歴史を見ると、世界史の中でヨーロッパと中国を結ぶ海上交通の要衝として東南アジアが大きな役割を果たしたのだということを、この2,3年で理解して来ました。同時に、ヨーロッパが求めて止まなかった香料の産地が東南アジアであると言うことも。
こうしたことから、本書に興味を持ち紐解いた次第です。インドや中国の影響を大きく受けながら、大陸部と諸島部のそれぞれに個性豊かな歴史があることが本書を読んで理解出来ます。そして、変化に富んだ文化を育んだ歴代の王朝や宗教によって、多くの国の栄枯盛衰と国境の変化が多彩であることは、ヨーロッパと同様です。そうした歴史上、海上交通による富の蓄積や変遷が、この地域に大きな影響をもたらしました。そして、ヨーロッパが産業革命により、多くの生産品の売却先として、また原材料の調達地として植民地を必要とし、東南アジアが収奪されていった過程、その結果として植民地化された領域が、今日の国々の領域が形成されたこと、植民地として宗主国から過酷な収奪を受けたこと、日本の占領による同様な収奪と戦後の独立の動きなどが、コンパクトにまとめられています。
三人の著者による分担執筆で、文章の読みやすさが一様ではありませんが、概観を理解するのに打って付けの書籍です。
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