
フランス革命は、近代国家の成立に際し多くの影響を与えたようです。
特に、国民皆兵、大砲の改良と用い方など、その後の戦争の在り方を一変させた。
その中心的な存在がナポレオンで、天才故に、多くの戦闘で勝利を収めた。
しかし、勝利をもたらした具体的な要素を知らなかったので本書を手に取りました。
予備知識は、傭兵では無く国民兵という、それまで存在しなかった兵士達が、「祖国を守る」為に命懸けで戦うようになったこと、程度しか知りませんでした。
本書によれば、ナポレオン以前のフランスで、既に軍事研究が行われており、部隊の編成や展開方法、大砲本体と架装、運用の改善、騎兵の運用方法の見直し、兵站の改善など、広汎な取り組みがあったようです。
加えて、革命政府が、将官への登用を貴族階級の独占から解放し、能力主義に転じたことの効果が大きかったとのこと。
そしてナポレオンの戦術、用兵能力が天才的であったことが、最大の要因であり、更に、ナポレオンの命令を速やか且つ的確に各部隊に伝え、命令の狙いを正しく実行できる能力を担保する仕組みと訓練があったようです。
本書では、歩兵の役割、騎兵の戦闘、指揮と統戦、火砲と攻囲千、海戦、と5つの章から成り、あらゆる面から当時の軍事技術を解説しています。
主要な、あるいは画期となって戦闘を解説する場面では、方位の表示が無く、対面する軍がどちら側なのかも表示も無く、戦闘の推移が分かり難い。
戦闘の経緯を描くには、関連事項の的確な表示と戦闘の推移の段階的な表示が不可欠ですが、本書は、漫然とした文章の羅列と、ごく簡単な図解があるだけで、不十分な記述である点は残念でした。
評価は3です。
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