読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

日本の外交 明治維新から現代まで

2020年10月27日 12時45分31秒 | ■読む

入江昭著、中公新書刊
本書は、1966年(昭和41年)に初版が出版され、私が入手したのは、2005年出版の第34版です。アマゾンでも新版として販売されています。内容は、明治維新当時から敗戦後に経済繁栄を手に入れた時点までの日本の外交の姿を概説するものです。

敗戦後、戦前の極端な否定と左翼思想の蔓延が、大きな混乱を引き起こしました。私自身は、そのような教育と時代の雰囲気に大いに影響されて育ったので、リベラルな考え方を好みです。
しかし、国旗掲揚や国歌斉唱などを巡る争いなどに触れるうちに、次第に疑問が生まれました。国民の統合の象徴である国旗をおとしめる教師達の正当性を疑いました。
また、国内で戦争中の日本の行いを巡るヒステリックな糾弾が延々と続き終わりを見せない。あたかも、自分には全く関係の無いこととして「悪事」を指弾している様の何とさもしく見えることか。
そのような問題意識が芽生えたのは、40代になってからです。日本が破滅した太平洋戦争とは何だったのか。敗戦により自らの出自を否定することを何故強いられたのか。その自虐的な思想と激しい自己否定。高みに立って見下すような左翼系の人々の精神構造の不可解さとおぞましさ。

このような問題意識から、折に触れ過去の歴史に関する書籍を読み始めました。日本だけでなく、近代から世界の趨勢を決して来た西洋の歴史も良く理解しなければならず、さらには、キリスト教が西洋文明に与えた影響も知りたい。
肝心の日本の歴史においては、明治維新から敗戦とその後の復興期の日本の様相が、とても重要だと思います。

本書は、そうした観点から、打って付けの著作でした。左にも右にも偏らず、日本が置かれた状況と、それまでの歴史によって規定された対外的な政策方針である外交のあらましを述べています。平易な表現でコンパクトにまとめられており大変参考になりました。
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入江昭 => https://ja.wikipedia.org/wiki/入江昭
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評価は4です。

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カメラまかせ 成り行きまかせ  〇カメラまかせ 成り行きまかせその2


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