私の好きなマット・デイモンが出演しており、堅実な演技でした。しかし、この映画の価値は、ネルソン・マンデラ大統領の政治家としての生き方を描いていることだと思いました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/インビクタス/負けざる者たち
http://wwws.warnerbros.co.jp/invictus/
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一体、現代にあって、政治家は尊敬される職業でしょうか。マスコミで伝えられる限り、数々の汚職や醜悪な言動で、碌な政治家がいないように感じます。政治とは何なのか。私なりに考えると、それは、資源を民衆が納得行く範囲で、自らが正しいと信じるバランスを以て分配することではないか。いかに正しくとも、現代の民主主義社会にあっては、民衆の支持なくしては失脚してしまします。移り気で目先の利益にとらわれがちな我々の支持を得るため、時代の気分をいち早く感じ取り、様々な雑事(冠婚葬祭など)にも気を配りつつ、日々の権力闘争に明け暮れなければ、現代の政治をリードできない。何とも因果な商売であり、人知を越えた営みであることか。
マンデラ氏は、アパルトヘイトの状況下にあって、決して圧政に屈することなく、黒人の初代大統領に就任し、見事に政治的バランスを取りつつ、孤独と苦悩の内に国政を治めて行った。その苦難の一端を描いており、静かな感動を呼び覚ましました。一人ひとりが、社会に貢献する仕方は様々ですが、自負と名誉のため、自らの生涯を掛けて政治という、何とも泥臭い面倒な仕事に取り組んだ稀代の英傑に感動しました。そして、日本に立派な指導者がいないとしたら、それは、そうした指導者を生み出せない日本人の現状に問題があるのだと思いました。
評価は4です。
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