飯山幸伸著、光人社NF文庫刊
日本を徹底的に痛めつけたB-29は、アメリカの技術力と工業力を見せ付けた爆撃機として知られています。
若い頃B-29の開発経緯について読んだ記憶があり、開発が非常に困難であったことは知っていました。
しかし、具体的な困難さと、その理由までは記憶にありませんでしたが、本書では他の爆撃機の開発と、その中でのB-29の位置付けと共に語られています。
また、無差別の戦略爆撃に至った経緯や、大量破壊を実現する為に、B-29を大量に生産する体制の構築、操縦士や乗組員の養成などについても記しています。
日本人の近視眼的な考え方と、アメリカ人の厳しい闘争を経て選択した目的合理性の差が大きいことも良く分かります。
細かいことにこだわりを持って、コツコツと積み上げることが得意な日本人の気質と、フロンティアスピリットに根差した、大づかみながら先見性に富んだ性向の違いが如実に表れた様です。
本書では、朝鮮戦争までB-29が使われたことや、当時の世界情勢とアメリカの政治的な選択まで述べられており、著者の視野の広さが感じられました。
副題の「意外な実態」は、本書の内容に相応しくないように思いました。
-------------
○飯山幸伸
-------------
評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
〇カメラまかせ 成り行きまかせ 〇カメラまかせ 成り行きまかせその2
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます