読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

学生島耕作 & 学生島耕作 就活編

2020年09月23日 09時51分35秒 | ■読む

弘兼憲史著、モーニングKC刊
「学生島耕作」は、2014年から2017年まで、「学生島耕作 就活編」は2017年から2018年までイブニング誌に掲載されたシリーズの単行本、全7巻を読みました。初々しい島の学生時代の悩みと不安、友人との出会いと別れ、そして恋愛事情が描かれています。また、初芝に就職するまでの過程も加わり、後に登場する人物達も登場します。様々な学生が登場しますが、島のありそうでなさそうな特異なキャラクタが既にはっきりと現れています。

主人公は、私より少し上の世代ですが、ほぼ同じ時代を経験しているので、所々に登場する流行歌や事件などを懐かしく思い返しました。島と違って地方の大学に在籍したので環境は異なりますが、確かに色々な学生がいました。大人しそうな同級生が、広大なアメリカ大陸を一人でバスで旅した話しを思い出しました。南部を旅行中バスの車中で話し掛けられたが訛りが強くてほとんど理解出来なかったこと、安宿に泊まり、自分の部屋に行く途中で、とても怪しい人物と一緒になり怖かったこと。自室に辿り着いて寝たがなかなか寝付かれず、夜中に拳銃の発射音を聞いたが、翌朝殺人があったと聞かされて、心底怖じ気付いたそうです。

また、仲の良い二人組は、片方が大柄で太っており、もう一方は酷く痩せた普通の身長の組み合わせ。ある時、太った方が酔っ払ってコンクリートの土台の付いたバス停を振り回した後人事不省になってしまった。仕方無く、痩せた方が背負って、死ぬ思いをしてアパートにに帰ったこと。

育ちの良さげなS君は、父上が新聞社の論説委員で裕福な家庭に育ち、ある時、車に乗せてもらったが、国産車とはいえ、当時の現行車で、確か「トヨペット・コロナ(3代目)」だった。自室には、「母が必要な物は買いなさい、と言ったので買ったんだよね」ということでコピー機があった。品の良い人だったなぁ~。

肩まで髪を伸ばしていたK君は、アーチェリーに熱中しており、学校の旋盤を借りて、アーチェリーのやじりを自作していたが、コンクリートにも刺さる物を作るので研究しているとのことだった。

落語が好きなT君は、語れるようになるために、寝る前にカセットで好きな落語を聞いて覚えていた。結局、落語は諦めて、畑違いの商社に就職した。

私自身は、4年間をボーとして過ごして、ひたすら本を読んでいた。高校からだから、足掛け7年間はそんな感じで、島と比べると正反対の内向きな生活を送った。しかし、社会に出てからは、却って多くの艱難辛苦に見舞われ、何とか身過ぎ世過ぎをこなし、後悔はあるものの、出来るだけのことはしたように思う。一人ひとりの人生の物語があるのだろう。

-------------------------------------------------------
弘兼憲史:1  ○弘兼憲史:2  ○学生島耕作
-------------------------------------------------------

評価は5です。

※壁紙専用の別ブログを公開しています。
カメラまかせ 成り行きまかせ  〇カメラまかせ 成り行きまかせその2


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 係長 島耕作 | トップ | すんごい堅いハンドルグリッ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読む」カテゴリの最新記事