五木寛之著、講談社刊
五木さんの親鸞シリーズの二作目です。
越後に流されて、1年が過ぎたところから物語が始まります。
一作目と同様、個性的な人々が登場します。異形の集団が加持祈祷によって天候を操り人々の病を癒やしたりして、貧しい人々の尊敬を一身に集めている。
春になって、その集団が山から下りてきて、待ち侘びる人々の前にやってくる。
その時目撃した親鸞が、その集団を率いる一際怪異な容姿の人物を目撃し、共感しつつも、仏の道と相容れないことに気付く。
その人々との出会いと交わりは、一作目の流れを受けた展開です。
しかし、その後、少年の頃出会った元関東武者の導きによって関東に居を移してからは、大分様相が変わります。
平穏な生活でありながら、自らの本性に疑いを持ち、法然から受け継いだ念仏の道を、更に究める険しい道に惑いながら、苦悩を深めて行きます。
この辺は、五木さん流の親鸞なのでしょうが、人間くさくて好感が持てました。
本作では、関東での求道に一区切りを付けて、京へ旅立つところで終わっています。
次の三作目は「完結編」とのこと。近日中に読みたいと思います。
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○親鸞 ○五木寛之
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評価は4です。
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