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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

電池覇権

2011年10月26日 19時16分56秒 | ■読む
大久保隆弘著、東洋経済新報社刊
技術モノが好きなので、本書をパラパラと覘いて、主にリチウムイオン電池に関する技術解説書籍と思って手にしました。しかし、内容は全く異なります。リチウムイオンを主にした、今後の技術開発のキーデバイスを巡る経済・技術環境から語り初めています。そして、太陽光パネルや液晶で日本が韓国などに敗北した原因を探り、リチウムイオン電池に代表される、今後の先端技術の育成と世界制覇に向けた戦略の在り方を示しています。中でも、国家の役割が非常に重要で、現在の下克上状態の世界の市場では、国と民間が力を合わせて競争に打ち勝たなければ、日本の将来はないとしています。
いまから10年前に、大企業で液晶パネルの開発・生産プロジェクトを統括していた知人が「韓国は国が莫大な補助金を出して液晶の開発に努力しているが、日本政府は無策だ。いずれ、日本の液晶事業は韓国に敗北するよ」と語っていました。本書を読んでそのことを思い出しました。税金を投入することまでしないと国際競争に勝てない、そんな時代になっていることに、官僚や政治家は気付いているのでしょうが、比較的まだ余裕のある日本国民は、そうした税金の使い道に同意しないと思います。しかしながら、国家が国際社会で経済的に優位に立つ努力をしない限り、その国が衰退することは歴史が証明しています。
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URL => http://www.nikkeibookvideo.com/writer/2941/
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評価は4です。

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