
呉善花著、文春新書刊
李朝期のあらましを解説した後、日本に併合されるまでの韓国及びその周辺を中心とした国際情勢と李朝朝鮮の国内事情を簡潔に辿っています。
日本がいち早く、西欧の植民地政策の恐ろしさを見抜き、尊皇攘夷から文明開化に舵を切ったのとは対照的に、朝鮮は、長らく中国の冊封体制に組み入れられ、儒教による硬直化した社会構造から脱しきれずに、舵の無い船の様に漂流し続けた。
また、当時の複雑で流動的な国際情勢下にあって、ロシアの南下政策を警戒していた欧米と日本の思惑が部分的に一致し、ロシアに接近する朝鮮を放置で出来なかった日本が最終的に併合することになった。
こうした大まかな情勢の裏で、朝鮮だけで無く日本の政治家や民間の人々が、様々に道を模索していく様子が述べられています。
「当事者能力の欠けた朝鮮政府と儒教にしがみ付いて世界を理解し得ず、目先の利益を追求した両班、そして放置され搾取された人々」の集合である朝鮮が、辿り着いた結末である、という事が本書の結論です。
日本にも多くの問題があるものの、韓国の現在の反日の素地が、本書によって理解できるように思います。
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○呉善花 ○韓国併合
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評価は4です。
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