日記

音楽教室のことや、その日に起きた出来事をご紹介します。

セミナーの感想(二日目)

2007-01-11 23:26:01 | Weblog
翌日は朝から聴講。

二日間で一番多く出た指示はやはり手のポジション。
脇が開かないように、腕の使い方、親指の音入れなど、みんなが
苦労していた。
私もこの奏法にはなかなか慣れることが難しくて、今も苦戦中。。。
でも、手の位置、顔の向きなどを変えると、音への意識も当然変わるし、
多分弾いている本人は形を作るのに必死でそれどころじゃない部分も
あるだろうけど、客席で聞いていると、響きが全く変わってくる。

この日は大人の方が夜のコンサートに数人出演。
仕事を続けながら、ピアノを教えながら新しい奏法を学び続けて、
中には一年かけて曲を仕上げたという方も。
現役の学生さんたちのような力強さやテクニックは無いけれど、
情感のこもった温かく丁寧な大人の音楽を聴いて、本当の演奏会気分に
浸れたような気がした。

須田先生がおっしゃったこの日のお話の中で一番(なるほど!)と思ったこと。
日本人は間違いを「ミス」と呼ぶ。
もちろん入試なんかでのミスは命取りになることもあるし、できる限りの
練習を積んで、いかにミスを少なくするかという意識はとても大切。
だけど、ミスを恐れて音楽が萎縮したり平坦になるのはとても残念なこと。
外国ではミスにも2種類の考え方があるらしい。
1.「エモーション」…感情の高ぶりによって少し飛び出てしまった表現。
2・「アクシデント」…不注意や練習不足のよる減点の対象となる間違い。
大人の演奏を聴いていてミスが気にならないというのは、エモーションの
場合が多いからだそうです。
確かに、自分の意思で音楽を続けて、好きな勉強に時間をかけていれば、
自然と豊かな感情も出てくるんだろうなぁと、この頃よく思っていたので、
このお話をきいた時、なぜ大人の音楽は聴いていてホッとするのか、
その理由が明確になった。

二日間、じっくりと演奏を聴きこんで、ちょっと座り疲れたけど、
良い一年が始まりそうだ。

実は年末のレッスンであまりの弾けなさに落ち込んで、そこでやる気を出せば
よかったものの、いつものサボり癖も出て、ずっとピアノに触っていなかった。
セミナーでいろんな人のレッスンを聴講したら、みんな新しい奏法に
挑戦して、まだまだ体得しようと頑張っている最中なんだということ、
そして、それができれば本当に音が変わることが分かって、翌日からさっそく
練習を再開することができた!

夏は蔵王のセミナー。興味のある方、是非音楽の世界に浸ってみませんか?

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セミナーの感想(1日目)

2007-01-11 23:10:24 | Weblog
遅くなったけど、日曜日の須田先生のセミナーの感想など

冬のセミナーは受験や後期の試験を控えた受講者が多くて、
夏とは一味違った緊張感があった。

ショパン、モシュコフスキー、ツェルニーのエチュード(練習曲)を
弾いた人がたくさんいたけど、テクニック的な難しさがあると
どうしてもテンポ設定が遅くなってしまう。
今回はそういう曲を、すごい速さで弾いてみる指示が目立った。
遅いとかえってミスが目立つし、曲の本来の性質がわからないままに
なってしまうことがあるらしい。
これは、反対にゆったりとした曲を弾くときも当てはまる。
いつもゆっくり練習していると、流れが悪くなり、聞き手に苦痛を
与えてしまう。一度速いテンポで練習して流れに乗ってしまえば、
次にテンポを戻したときにちょうど良い速度が自然に身についている。

それから「才能」についての話。
音楽に於ける才能とは…?私たち日本人の多くは「感性が豊かなこと」
「想像力があること」などと答えるが、外国人はのほとんどは
「才能とはファンタジー」と答えるらしい。
いろんな作曲家がファンタジー(幻想曲)を作ったけど、
そもそもファンタジーの語源にはこんな説がある。

《ファンタジー→FAN(熱狂的)、FANTOM(おばけ)、EXTACY(官能)》

この中で特にファンとファントムは対極のもの。一曲の中にそのような
色々な状況、感情を表現するものをいかに織り込むことができるかという
作曲家の挑戦が伺える。
外国人は、音楽の最高峰とも言えるそのファンタジーへの憧れに対する
意識が強いようだ。


夕方、公開レッスンが終わり、休憩をはさんで受講者によるコンサート。
レッスンで言われたことを短時間で自分なりに吸収し、緊張する中で
しっかりと演奏している様子を聴講して、レッスンの素晴らしさ・充実、
そして受講者の集中力を感じることができた。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする