TBSで13日からストライキが有ったそうだ。ネタとして面白すぎると思うのは私だけだろうか。テレビ局社員の年収が非常に高いことは有名である。また、テレビ局社員と下請け社員との5倍に渡る収入格差も非常に深刻な問題として知られている。そんなテレビ局も最近の不況と若者のテレビ離れによる広告収入の落ち込みに苦しんでいるようだ。その広告収入の落ち込みによる社員の年収の抑制が今回のストライキの一因であろう。
長年テレビ局は、電波を寡占することによって特権的な地位を維持してきた。その結果の高収入であったわけであるが、インターネット・携帯といった新しいメディアの発達に伴い広告収入の低下に見舞われ、経営的に苦しい状態が続いている。経営者としても何もせず手をこまねいていたわけではなく、収入の落ち込みに対応するため番組制作費の削減がテレビ業界全体で進められている。
しかしながら、元々テレビ業界においては電波使用料として在京キー局や系列局に予算の多くが落ち、実際の番組制作には少しのお金しか投入されない構造があった。結果、世界的に見て高い広告予算に対して少ない番組制作費と番組のクオリティーという構図が成立してきた。それを、さらに番組制作費の削減を進めてきたため、さらなる内容の低下を招いている。
この構図は、日本におけるコスト削減においてよく見られるものである。コスト削減をしようとしたとき、日本においては正社員の待遇の抑制はほとんど不可能であるために、コスト削減が他の場所に集中し、結果一番成果に貢献している現場にコスト削減が集中し、現場が荒廃する。そのようなことを行ってきたことが現在の日本の競争力の低下に繋がっているがテレビ業界も同じように品質をひたすら犠牲にしつつ滅びの道を進んで行くのだろうか。