博士の独り言氏も紹介している毎日新聞の社説が信じられないくらい酷い。漆間巌官房副長官が記者団からの「バランスを考えたら自民党の方も(捜査を)やるとの見方もある」という質問に、「自民党の方は金額が違いますからね。この件で自民党の方までやることはないと思いますよ」と答えたことを問題視し、「国民はどう受け止めただろう。「事件は内閣が指揮しているのではないか」、あるいは「少なくとも捜査情報は首相官邸にもたらされており、それが麻生首相が衆院を解散する時期を判断する材料になっているのではないか」と疑問を持った人も多いだろう。」というところへと論理が飛躍していく。
普通に考えれば、漆間氏はその時点での情報から一般論として自民党のほうが金額が少ないから罪も軽くてすみそうだと言ったに過ぎないのに、それが陰謀論・国策捜査に論理が飛躍していく異常な思考回路である。長年にわたって多額の政治資金をトンネル団体を通じて受け取り公共工事の利便を図ってきた小沢氏と、今回の事件について匿名で誤解を招く発言をした漆間氏との、責任の大きさには天と地ほどの開きがあるだろう。それがあたかも毎日新聞においては与党と漆間氏が悪いかのような口ぶりである。
朝日新聞の方にも傑作なのがあって、チベットからインドに亡命した長老の発言として「中国は我々の信仰や教育の自由を奪った。気にかかるのは、そんな中で暮らす人々の苦労だ。自由を奪い返すには話し合いしか方法はない。独立を叫ぶ若い世代はチベットの現実を見ていない」というのが引用されている。中国によるチベット侵略を認めつつ、独立を否定する。常に、日本を侵略国家として否定し続ける朝日新聞が中国の侵略に対してはそれを肯定するかのように支配に抵抗することを否定する。まったくの二重基準である。平和のために中国の軍国主義に反対を。