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道端鈴成

エッセイと書評など

Pigeon Watching:政治主導(首脳独断)の巨額ばらまきを放置し、仕分けショーを再開

2009年12月18日 | Pigeon Watching
年明けに再び「仕分け」、独法の廃止含め精査

 政府は14日、独立行政法人の廃止を含めた抜本改革のため、年明けに行政刷新会議による「事業仕分け」を実施する方針を固めた。

読売新聞 12月15日


科学技術や医療関係の必要な予算まで削る一方で、アフガン支援(湾岸小切手外交の再現)で5000億円、等々、仕分けによる予算減が吹き飛ぶような巨額の支出を、政治主導とやらで首脳筋が密室で決めてしまう。予算に占める額が大きく民間に比べ厚遇かつ安定で、日本の労働市場をゆがめている公務員の給与には手をつけない。自治労、日教組が民主党の選挙マシーンだからだろう。自分達の事だから国会議員の削減にも手をつけない。財政再建は急務だ。しかし、民主党のやり方を見ていると、国の財政改善の観点からは、全く合理性を欠いている。国内外へのばらまきの乱発、政治家や公務員の人件費の温存など、財政破綻へのアクセルを踏みながら、何十億のところから必要な予算まで削ってしまう。予算の無駄の削減は必要だ。しかし削減の俎上に載るものが、党利党略で恣意的にきまり、一方で削減をぶっとばしてしまうような政治指導の名のもとでの巨額のばらまきが行われ、全体の合理性を欠いている。要するに、国の財政再建のための合理性よりは、党利党略が、官僚支配と戦う民主党というイメージが重要なのだろう。だから、今回のニュースも、仕分けショーで支持率へのカンフルをねらっているんだなとしか読めない。

Pigeon Watching:盧武鉉氏を凌駕する勢いで発言を重ねる鳩山氏

2009年12月17日 | Pigeon Watching
「地球益も大変大事だ」
鳩山由紀夫首相は16日夕、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に関連して「国益も大事だが、地球益も大変大事だ。(温室効果ガス25%削減は)産業界も大変驚いたし、苦しんでいるところがあるかもしれないが、必ず乗り越えられる」と述べた。

産経ニュース 12月16日

2020年までに90年比25%削減は、これから10年の間に30%以上削減ということだ。自分の政府がまともな試算もできず具体的な政策のメドもたてられないのに、「必ず乗り越えられる」など人におしつけるのは無責任だ。それを、メディアのイメージにのった地球益などという空語でごまかさないでほしい。選挙対策にたけ国民をごまかすのに熱心で、まともな対外交渉能力がないという、現政権の組み合わせは最悪だ。国民の被害を最大にする。


「決定しないという決定をした」

鳩山政権発足から3カ月近く迷走を見せられた末、これを聞いた国務省高官は同日、皮肉たっぷりに「決定しないという決定をしたのか」と一笑した。

時事ドットコム 12月15日


米高官に同調するつもりはないが、こちらも鳩山氏の無責任でおためごかしの空語にはあきれている。わずか三ヶ月もでこうなのだから、このまま首相の地位にしがみついていれば盧武鉉氏を越える日も近いかもしれない。


Pigeon Watching:特亜に媚びて一般アジアと世界の信頼を失う鳩山政権

2009年12月16日 | Pigeon Watching
台湾・蔡英文民進党主席「中国は他国のルール学ぶべき」

来日している台湾・民進党の蔡英文(ツァイ・インウェン)主席は15日、都内で記者会見し、天皇陛下と中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席との会見について「中国の強引さをアジアに示した。中国は他国の主権、外交儀礼などを尊重することを学ぶべきだ」と語った。

 米軍普天間飛行場の移転問題については「日本政府の決定にコメントする立場にないが、日米同盟はアジア太平洋地域、特に台湾海峡の安定に決定的に重要だ」と述べた。

朝日新聞 12月15日





鳩山政権の上半身(1):日教組

2009年12月14日 | Pigeon Watching
山教組幹部、9割が校長・教頭 県教委が「優遇人事」?

 山梨県教職員組合(山教組)の選挙資金集めをめぐり、罰金刑を受けた元財政部長が教頭に昇任していた問題で、同様に選挙資金集めに関与して処分を受けた元委員長も、教頭に昇任していたことが8日、分かった。この問題について同日、県議会で一般質問が行われ、山教組幹部経験者の約9割が校長・教頭職に昇任するなど、県教委で組合幹部の「優遇人事」が行われていた実態が明らかになった。

 山教組の選挙資金集めなどをめぐっては平成18年、元財政部長ら2人が政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受けたほか、元委員長ら24人が県教委に処分された。しかし、県教委はその後、この元委員長を教頭に昇任させ、県内の小学校に赴任させていた。

 8日の県議会では、内田健県議が一連の問題を「教育の政治的中立」という点から取り上げて質問。昭和63年以降、委員長や財政部長といった山教組本部の「六役」と呼ばれる幹部経験者29人のうち、25人が校長・教頭職に昇任していると指摘したうえで、こうした人事を「異常ではないか」と批判した。

 選挙資金集めは民主党の輿石(こしいし)東(あずま)代表代行を支援するため行われていたことから、一般質問では輿石氏が「教育の政治的中立はありえない」と発言した問題も取り上げられたが、松土教育長は「発言の政治的な意図が把握できない」として、コメントを避けた。

産経ニュース 12月8日


鳩山弟は鳩山政権の下半身が小沢氏に上半身が労組に支配されていると評した。両方とも下半身ぽいが、頭を支配するのが、鳩山氏やマスコミ、支持層が浸かっているある種ばくぜんとした思想的傾向だとすれば、小沢氏を下半身、労組を上半身としても良いだろう。山教組は北海道などのようにはイデオロギー的に過激ではないとしても、その分、組織率は高く地域に浸透しており、強力な選挙マシーンとして、小沢幹事長の盟友である輿石代表代行(自民党の金丸、旧社会党の田辺のコンビを思い出させる)や小沢環境大臣などを支えている。輿石氏の主張どおりの教員免許更新制度の廃止事業仕分けにおける教員給与の国庫負担の議論回避など鳩山政権における日教組シフトは明確である。

Pigeon Watching:鳩山首相の外交ブレーン、正解されて接触拒否

2009年12月13日 | Pigeon Watching
オバマ政権、鳩山「特使」を拒絶

鳩山由紀夫首相の外交政策顧問とされる寺島実郎多摩大学学長が12月はじめに「オバマ米政権の鳩山首相への誤解を解く」という趣旨でワシントンを訪れたが、
オバマ政権側は寺島氏との接触を一切拒否、鳩山政権への厳しい姿勢をみせていたことが明らかにされた。

オバマ政権に近い米国関係筋が10日までに明らかにしたところによると、寺島氏は11月に東京の米国大使館に「ワシントンを訪問し、オバマ政権側の鳩山首相に対する誤解を正したい」という旨の協力を要請してきた。ところが米国大使館は本国政府に、寺島氏の年来の反米傾向や鳩山政権自体の混乱を理由にあげてオバマ政権の現職当局者は同氏と面談しないことが好ましいという「提案」を送ったという。

寺島氏はこれまで「対等な日米同盟」「東アジア共同体」「米国と中国の中間に立つ日本」などの主張を鳩山首相に先だって発表してきた実績があり、鳩山首相に外交政策の助言をしてきたとされている。  参考記事

産経ニュース 12月11日


誤解を解くとかうだうだ言う前にまず方針を明確に示すことが先決ではないか。寺島氏のうすらぼんやりしたレトリックに耳を傾けるのは、情緒的な思い入れでアジアだの平和だのを語る、現実的にものを考えられない人間だけだろう。

Pigeon Watching:進化する鳩山首相、迷走発言を1日で達成

2009年12月12日 | Pigeon Watching
国債目標めぐり迷走=「否定」後一転し、明記を指示-鳩山首相

 2010年度予算の新規国債発行額について、数値目標を予算編成方針に明記するかどうかをめぐり、鳩山由紀夫首相の発言が11日揺れた。
 首相は国会答弁で、10年度予算編成で国債発行額を44兆円以下に抑制する考えを表明していた。これについて首相は同日朝、記者団に対し、「あきらめる話ではない」としつつ、「国民の命を守るのが政治家の務めだ。1円でも超えてはいけないとか、何らかの目標(を定める)とかの議論のたぐいではない」と語った。このため、数値目標の明示に、首相は否定的と受け取られた。
 ところが、首相はこの後、平野博文官房長官や菅直人副総理兼国家戦略担当相に対し「数字を入れた上で、予算編成の基本方針を作るように」と指示。 etc,etc, 後略  参考記事
 
時事通信 12月11日

Pigeon Watching:アメーバ的八方美人

2009年12月09日 | Pigeon Watching
実弟による人物評

鳩山氏は「兄の鳩山総理大臣は、下半身を民主党の小沢幹事長、上半身を労働組合に支配されている。もともと信念が堅固ではなく、アメーバ的で何でも調子をあわせることができるから、普天間基地の移設問題もあちらこちらに行っている」と述べ、鳩山総理大臣を批判しました。

NHKニュース 12月8日


安倍晋三元首相による人物評

 「岡田外相には彼なりの頑固な考えがあって、私はそれには非常に危険なものを感じるわけでありますが、鳩山さんにはそういうものはあまり感じられない。鳩山さんは誰に対してもいい印象を与える人で、10人会ったら10人とも喜んで、帰っちゃう。ところが最初に会った人と最後に会った人に言ったこととが全く逆の場合がある。
 そういう人ですから、オバマ大統領との会談でも、オバマの嫌がることは言ってないはずです。しかし、会談以外の所では色々なことを言っている。だから、アメリカは非常に不信感を持っています。」

ステージ風発 12月7日


Pigeon Watching:重い現実

2009年12月08日 | Pigeon Watching
引き返せぬ「25%削減」 きょうからCOP15

 ◆突出した目標

 「日本にとってCOP15は、もはや交渉とはいえなくなっている」。日本政府関係者から、ため息が漏れる。鳩山由紀夫首相が今年9月に国際公約した「2020年に温室効果ガスを1990年比25%削減する」との中期目標は、ほぼ確定する見通しだ。

 鳩山首相は「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意」を目標達成の前提条件にしている。ただ、世界の排出量の21%を占める中国、20%の米国も削減目標を発表したほか、ロシアや韓国、ブラジルなども相次いで目標を打ち出して前向きな姿勢をアピールしており、「日本だけが目標を撤回したり、引き下げたりすることはできない」(政府関係者)状況にある。

 政治宣言の付属文書などに、各国が表明した削減目標を書き込む可能性は高い。議長国デンマークの政府高官は「政治合意があれば、新しい議定書の細部を詰める作業に入れる」と話し、交渉は次の段階に入る。「国際的に突出した」(経済官庁幹部)25%削減目標について、産業界は国際競争力を低下させるなどと強く抵抗してきたが、「もう外堀は埋まった」と諦めの声が上がる。


フジサンケイビジネスアイ 12月7日


Pigeon Watching:お坊ちゃまへの説諭

2009年12月07日 | Pigeon Watching
「批判に耐えるのが指導者」=ゴルバチョフ氏が鳩山首相を激励

 鳩山由紀夫首相は7日午後、首相官邸でゴルバチョフ元ソ連大統領の表敬を受けた。首相は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題などを念頭に「(マスコミなどから)批判されている」と弱音を吐くと、ゴルバチョフ氏は「当たり前だ。それに耐えていくのが指導者の務めだ。耐えてください」と激励した。
時事ドットコム 12月7日

激励というより説諭だろう。この人は、麻生政権の時、マスコミが漢字の読み違いだの、カップヌードルの値段だの、仕事後のバーなど瑣末な事でどれだけ叩いたのか、自分も威勢良く攻撃していたのか忘れてしまったのだろうか?自分の巨額の脱税疑惑、政治資金規正法違反、基地問題での二枚舌、等々、問題でないと思っているのだろうか?責任感も公正さの感覚もかけらもない、甘えん坊だとしか言いようがない。

Pigeon Watching:ハトミミと共産中国の密告制度

2009年12月06日 | Pigeon Watching
「ハトミミ」情報で刑事告発も 行政刷新会議

政府の行政刷新会議は2日、行政の無駄や不正情報を官僚から集めるため設置した受け付け窓口「ハトミミ.com」で得た情報をもとに、対象者の悪質性が高い場合には刑事告発を行う方針を決めた。密告者の実名は、原則として関係省庁の政務三役に報告する。窓口を所管する仙谷由人行政刷新担当相は事業仕分けに続き、漫然と不正が見逃されている実態を“密告”窓口を通じて一掃したい考えだ。

産経ニュース 12月3日

絵が微妙に不気味だ。事業仕分けを文化大革命になぞらえた仙谷由人行政刷新担当相のイニシアティブだけに、共産全体主義体制につきものの密告制度も連想されて、気持ちが悪い。仙谷氏が範とするらしい共産中国には、信訪という密告制度があるらしい。


苦情申し立て制度、政府が国民管理に利用 米公聴会

 【ワシントン=古森義久】中国の人権状況などを調査している米国の「中国に関する議会・政府委員会」は4日、中国の苦情申し立て制度「信訪」に関する公聴会を開き、一般大衆の声を聞くための民主的制度として宣伝されてきた「信訪」が、実際には中国政府の国民管理に利用されているという実態が報告された。

産経ニュース12月6日








Pigeon Watching:パンドラの舌

2009年12月06日 | Pigeon Watching
★「突出」するニッポン=潮田道夫


  国際エネルギー機関(IEA)が09年エネルギー見通しを出した。今年の目玉はコペンハーゲンで各国がどのぐらいの削減を約束すれば、温暖化地獄を避けられるか、国別目標を算出してみせたことだ。その数字を見て、日本政府は跳び上がった。「エッ、その程度でいいのか。なぜもっと早く教えてくれないんだ!」

  IEAによれば、日本は10%の削減でよい。もっとも、これは他国から排出枠を買ったりせず、自力で減らす「真水」の削減目標だ。麻生太郎前首相は真水で8%減を表明した。あれより少々きついが、鳩山由紀夫首相の25%(真水がいくらかは分からないが)よりはるかに低い。

 ほかの国は米国3%減、EU23%減。中国については65%の効率アップを求めている。これと各国の目標はほとんど差がない。「世間相場」を踏まえた交渉をしてきたことが分かる。それに比べ日本は何と「世間知らず」であることか。鳩山首相は25%は無条件ではなく、主要国が「意欲的」な目標である場合に限ると留保条件をつけた。さて、各国は「意欲的」といえるのか? いえませんね。だとすれば、日本も下げるのが筋である。一部に「15%」説が流布している。相場だろう。

  しかし、多分、鳩山首相は25%にこだわり続ける。その場合どうなる? 真水でぎりぎり10%減らし、あと15%は外国から排出枠を買う。IEAの数字で計算すれば、費用は8兆円である。

 おや、まあ。(論説室)

毎日新聞 2009年12月6日



「おや、まあ。」と毎日新聞に書かれても、それまでの鳩山イニシアティブマンセーの記事ってなんだったんだろう。遅いよ、と思ってしまうが。麻生前政権における削減目標が現実的な政策であったことは分かる。鳩山首相は、具体的な試算や政策のメドもなしに、国際舞台で90年比25%減をぶちあげてしまった。鳩山氏の軽い舌だが、各国、国益をかけてぎりぎりの交渉をしているなかで、一国の首相が国際的に公言してしまえば、「現実を考えればなかなか難しい。意気込みみたいなものを申し上げた」ではすまなくなる。せっかくのカモの方針変更をそのまま認めるほど甘くはないだろう。産業の国外流出、排出権購入につぎ込まれる税金、すべて国民に重い負担としてのしかかってくる。それにしても、基地問題での二枚舌、二酸化炭素削減問題における軽い舌、この人の舌は日本にとってパンドラの舌だろうか?

Pigeon Watching:二枚舌を使う鳩

2009年12月04日 | Pigeon Watching
鳩山首相、米側に日米合意を重視するともとれる極秘書簡を送っていたことが明らかに

11月から始まった普天間移設問題を話し合う日米作業部会を通じて、鳩山首相がアメリカ側に、日米合意を重視するともとれる極秘書簡を送っていたことが明らかになった。
11月13日の日米首脳会談の翌日、鳩山首相が外遊先で、記者団に対して、今後の協議について、「日米合意を前提にしたものではない」と発言し、両首脳の認識のずれが表面化したと報じられたことについて、鳩山首相は、ルース駐日大使にあてた書簡で「心配されているかもしれないが、そうした報道などに惑わされないでください」と伝えていた。
県内移設の「日米合意重視」ととれる内容だけに、今後波紋も呼ぶものとみられる。

FNNニュース 12月3日


「パンドラの箱」開けてしまった 普天間で混迷深まる鳩山政権

政権内部でも、15日にNHKの討論番組に出演した長島昭久防衛政務官が
「オバマさんは演説の中で今の日米合意を迅速に実行するという言い方をされている。それにもかかわらず、総理は『今の合意を前提にするわけでもない』というお話をされて、正直、一瞬びっくりした」と発言し、困惑を隠さなかった。

J-CAST News 11月16日

Pigeon Watching:脱税で億単位の子供手当をもらうハトヤマブラザーズとブリジストンママ

2009年12月03日 | Pigeon Watching
鳩山首相の母聴取へ 「贈与」の認識問う

鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金問題で、東京地検特捜部が、鳩山氏側に資金提供していた実母(87)から参考人として事情聴取する方針を固めたことが2日、関係者への取材で分かった。この資金提供をめぐっては、特捜部が「贈与」との見方を強めているが、実母の関係者は「鳩山氏への貸付金」と主張しているとされ、特捜部は実母本人から資金提供の認識について説明を求めることが不可欠と判断したもようだ。

  税務当局が「贈与」と判断した場合、鳩山氏に贈与税の納税義務が生じる。11億円超で計算した場合、納税額は5億円を超える。

産経ニュース 12月3日

情報隠蔽で国民を騙そうとする鳩山内閣のCO2削減玉砕戦

2009年12月01日 | Pigeon Watching
「政治迎合は学者生命にかかわる」 温暖化試算、お蔵入りの背景は

  鳩山政権が国際公約に掲げる温室効果ガスの25%削減。その家計への影響を検討してきた政府のタスクフォース(有識者会議)が24日、試算をまとめたが、政府は非公表扱いとし、来年2月までの再試算を命じた。なぜ試算は“お蔵入り”となったのか-。その背景として、不都合な結果を避けたい政権の意向をめぐり、タスクフォース内で対立や暗闘があったことが29日、産経新聞が入手した議事録などで明らかになった。

 「このまま数値が出ていくと、国民にネガティブなイメージを与えてしまう」
 24日夕、首相官邸で開かれた「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」の副大臣級検討チームの会議。福山哲郎外務副大臣は、タスクフォースの植田和弘座長(京大教授)が提出したA4版約30枚の報告書を非公表とするよう訴えた。
 タスクフォースの主な任務は、鳩山由紀夫首相による「2020年に温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減」という目標実現のため、どれくらいの家計負担が必要かという試算。だが、報告書には、1世帯当たりで最小3万円から6万円、10万円、14万円…などと、さまざまな結果が羅列された。最大は76万5千円。前政権が民主党批判の材料とした「36万円」の2倍以上で、鳩山政権の意向に沿うはずもない。

「政治に迎合するようでは、学者生命にかかわる」
 関係者によると、議論にかかわった研究機関の一人はこんな危機感を周辺に漏らした。民主党は試算に際して、温暖化対策などの効果を反映させるよう求めていたが、政策の中身すら明確でない段階で“希望的観測”を受け入れるわけにはいかないからだ。

 一方、福山氏は24日の会議で再試算も提案、小沢鋭仁環境相らが同調した。菅直人副総理・国家戦略担当相は「試算がなかったことにするのは難しい。イノベーション(技術革新)や新産業を入れ込んだ新しい土俵で試算するように依頼した、ということを強調しよう」と指示した。
 「再試算も今のメンバーでやった方がいいのか、一新した方がいいのか」
 席上、植田氏に迫った小沢氏に対し、植田氏は「リシャッフル(再編)した方がいいと思う」と答えるしかなかった。会議後、小沢氏は記者団に「鳩山政権を応援してくれるみなさんとやりたい」と語った。

産経ニュース11月29日



戦前の総力戦研究所による予測とそれを握りつぶした軍部を彷彿とさせる民主党政権の対応。

東條陸相「諸君の考えている事は机上の空論とまでは言わないとしても、あくまでも、その意外裡の要素というものをば、考慮したものではないのであります。なお、この机上演習の経緯を、諸君は軽はずみに口外してはならぬということであります。」

菅国家戦略担当相「試算がなかったことにするのは難しい。イノベーション(技術革新)や新産業を入れ込んだ新しい土俵で試算するように依頼した、ということを強調しよう」
小沢環境相「鳩山政権を応援してくれるみなさんとやりたい」




Pigeon Watching:脱官僚・依存の友愛外交

2009年12月01日 | Pigeon Watching
児玉博の「見えざる構図」

サウジ国王が出席を見合わせた理由
 UAEが当面4基の原子力発電所の導入を決定し、今まさに最終コンペを迎えている。同国の最高権力者である国王、アブドゥラー・ビン・アブドゥルアズィーズの出席も予定されていた完工式は、日本が国として日本の原発メーカーを売り込む絶好の機会であった。だからこそ、サウジアラビア国王に見合った政府特使の派遣が重要だったのである。結果から言えば、政府特使として国際的には全く無名の岩國がやってくることを知り、サウジアラビア側は国王の出席を見合わせてしまった。

当初、経産省が推したのは元首相の福田康夫だった
  当初、経済産業省が官邸に推したのは元首相、福田康夫。「自民党の“戦犯”の1人とはいえ、中東へのパイプは太い。現地でも名前を知られた数少ない政治家であり、やはり首相経験者という肩書きは重い」(経済産業省幹部)けれども、首相の鳩山由紀夫が選んだのは岩國だった。なぜ岩國だったのだろうか? 首相周辺から聞こえて来たのはこんなものだった。「鳩山さんとは古い付き合いで…。それに岩國さんから『海外を相手にしたコンサルタントの仕事をしたいからよろしく』と言われていたから、鳩山さんはその辺を考慮したらしい」。とても国策などとは呼べるようなものではなく、ただ単に鳩山の友人だからというのが、その理由のようだ。これぞ“友愛”ということなのか?普天間基地移設問題で米国の信頼を決定的に失っている鳩山内閣は中東でも個人的な理由だけで信頼を損なってしまった。

日経ビジネスOnline 11月30日