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Sunset Cafeへようこそ

いつか、夕日の美しい絶景の地にカフェを・・と願う私のバーチャル・カフェ。未知の音楽と人との出会う場所。

As Time Goes By

2005-12-16 23:29:21 | たまに聴くならこの一枚

北陸では記録的な大雪、東京でも初氷が張ったらしいが、私は本日、
日比谷公園で美しい紅葉を見ました。
あと2週間で新年なのに、なんだかすごく不思議な感じです。
これこそ、2005年最後の紅葉ではないでしょうか。

時は流れ、季節は移ろい、あっと言う間に年の瀬です。
1年を通して、数多くの美しい物を見、新しい音楽に耳をそばだて、
時には感動に身を震わせたような気もしますが、全く何事も起こらず
昨年と同じように、毎日同じような時間が流れただけ、というような
気もするのは何故だろうなあ・・。
確かなのは、この一瞬・一瞬が二度と戻らない、リセットの利かない、
有限なものであることです。
そう、初夏の安曇野で見た幻想的な蛍の乱舞も、記憶の中の1ページ
になってしまったんですなあ。

「時の過ぎ行くままに」と言うジャズボーカルの名曲は何という美しい
響きを持ち、含みを持った、奥の深い言葉でしょうか。
この曲名は歌の内容と一致しないために誤訳であるという説がありますね。
確かにこの曲の詩を良く聴くと、「時が過ぎても」の方が内容的には
しっくりしますが、私は敢えてこの美しい曲名にこだわりたいですね。
日本人の「無常観」というやつにこの曲名がしっくりするからかな。

しっとりした、ハスキーなささやくような、クリス・コナーの歌は
この季節に聴くのにぴったりですな。

今年もあとわずか2週間、か・・・。


As Time Goes By
Chris Connor
Enja

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丸の内で聴いたイブ・モンタン

2005-11-23 00:10:38 | たまに聴くならこの一枚


ごく最近、丸の内のオフィス街のど真ん中に、素晴らしい音楽のオアシスが
あることを知った。それは、毎日、お昼休みの1時間をCDやDVDの無料
コンサートとして極上の音楽を聴かせてくれる「ケンウッドスクエア丸の内」
の事で、有楽町駅近くの新国際ビル1階のケンウッドのショールームにある。

本日、私が聴かせていただいたのは「ベスト・オブ・イヴ・モンタン」という
CDだが・・・。いやぁ、冒頭の「枯葉」には心の底から痺れた。
このシャンソンの頭の部分は、あの有名な「語り」で始まる。
あの何とも形容し難い、低音でつぶやくかの様なイヴ・モンタンの語り・・。
男の色気というべきか、フランス文化の粋というべきか。
様々な思い入れを込めて、この歌を聴いて今日まできたこの数十年を想った。
そして、改めてイヴ・モンタンに痺れ直し、窓の外に見える枯葉に見とれ、
ほんの一瞬、心は若い頃に旅したパリの日々に飛んだ。
それにしても、ケンウッドさんは良い仕事をしてくれてますなあ・・。



イヴ・モンタンのシャンソンを堪能し、ケンウッドのガラス戸を押して一歩
外に踏み出すと、そこには聴いたばかりの「枯葉」の世界が広がっていた。
丸の内の街路樹全てが、何ともいい感じに枯葉色に染まり、それはまるで
パリの街並みのようだった。

枯葉~ベスト・オブ・イヴ・モンタン
イヴ・モンタン
ユニバーサルインターナショナル

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デューク・ジョーダン・・・・いぶし銀の味わい

2005-11-16 23:39:39 | たまに聴くならこの一枚


日比谷でお昼に近い時間になった。「そうだ、日比谷公園の松本楼で
大イチョウを見ながら昼飯にしよう」と思いたった。
少し寒いが日当たりの良いテラス席に座り、ビーフカレーを食す。

この古くて巨大なイチョウの傘の下のレストラン・松本楼のテラス席は
私の大好きな場所だ(見事に全部黄葉する、この季節は特に)。
今日の大イチョウはまだ緑の部分が多く、ベストな状態とは言えないが、
どっしりとした木の存在はそれだけで安らぎを与えてくれる。

デューク・ジョーダンの「Flight To Denmark」も、何とも言えないほのぼの
した安らぎを与えてくれる。いぶし銀のような魅力、と言えようか。
哀愁を感じさせるピアノタッチ、所々で「かわいい」とさえ思わせる
メロディーラインは、実は大変に長い労苦の年月の末に生み出されたものに
違いない。

デューク・ジョーダンは初期の成功を収めた後は、次第にヒットもなくなり
一時は生活にも困窮し、ニューヨークでタクシードライバーをしていた時期
もあるらしい。その後、失意のままデンマークへ渡り、十数年。
「Flight To Denmark」は彼がデンマークからアメリカへ帰国した復帰第一作
である。

”Everything Happens To Me"は私の大好きな曲だ。
もし私が今よりウンと若ければ、今感じているほどにはこの曲の魅力に気付
かなかったかも知れない。
聴けば聴くほどに味わいの増す曲であり、哀愁のメロディラインである。
年月を経ることは、なかなかに良いものじゃないかと思えるようになる。

Flight to Denmark
Duke Jordan
Steeplechase

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Come Fly With Me

2005-10-29 16:55:34 | たまに聴くならこの一枚


KLMオランダ航空のジャンボ機を背景にしたピム・ヤコブス・トリオの
ジャケット写真が、このCDのコンセプトを物語っている。

実際、タイトル曲の「カム・フライ・ウィズ・ミー(さあ、一緒に飛ぼうよ)」
のスイング感溢れる演奏を聴いているうちに、私は強烈に飛行機の離陸風景を
見たくなった。このスイング感一杯の軽やかな演奏は本当に素晴らしい。
冒頭のピアノ高音部で始まるイントロは、まるで国際線への搭乗を呼びかける
「アテンション、プリーズ!」のアナウンスを彷彿とさせる。
それはこれから始まる大空の旅への大きな興奮と期待を秘め、抑え気味に始まる。

この曲そのものはフランク・シナトラのヴォーカル版でつとに有名ではあるが、
私は、このピム・ヤコブス・トリオのジャズ演奏版の方が好きだ。
その理由は、「飛行機の旅」の魅力や楽しさを音楽演奏によってこれほど
スマートに描きあげたCDは、他には見当たるまいと思うからだ。
何といっても軽やかさ、スイング感、がこの曲の身上だろう。

私は大型ジェット機の離陸風景を見たくなり、この1ケ月間、デジカメを手に
成田空港や羽田空港を訪ね歩いた。 中でも成田空港の滑走路フェンス際に
ある「航空科学博物館」の3F展望台や、滑走路を挟んで約2km反対側の
三里塚さくらの丘から見る国際線旅客機の離陸シーンは圧巻だ。
ジェット音の轟音を後に300トンの機体が大地を蹴って急角度で大空を目指
して舞い上がる光景は、何度見ても見飽きることがない。

table>カム・フライ・ウィズ・ミー(紙)
ピム・ヤコブス・トリオ
ユニバーサルクラシック

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「雨ふりのあとで」・・・ by アンドレ・ギャニオン

2005-10-11 23:12:18 | たまに聴くならこの一枚


雨の日の散歩もいいものだ。
細かな霧のような雨が、思い出したように降ったりやんだり・・。
こんな日の代々木公園は、都会の中にいることを忘れるくらいに
ひっそりと静かで、木々も霧雨に霞んで幽玄な感じすらする。

黄や赤の、秋色に変わり始めた木々の葉は、雨に光って見えて
雨の中で鮮やかさを強調していた。
モノトーンだと想像していた雨の日の公園は、思いがけず鮮やかな色彩に
溢れていた。

アンドレ・ギャニオンの「雨ふりのあとで」が、頭の中で
何度も演奏が続き、雨の公園の散歩は,思いがけずカラフルで音楽にも
満ちていた。

コンプリート・ベスト・オブ・アンドレ・ギャニオン
アンドレ・ギャニオン
ユニバーサルインターナショナル

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[風の道」・・・by アンドレ・ギャニオン

2005-10-10 00:18:39 | たまに聴くならこの一枚


休日の午後の代々木公園。
秋の日もようやく西の空に落ちかけて、地上に木々の長い影を作っている。
色づき始めた木々の葉は、太陽の光で黄金色に輝き、光の影になった部分
とで鮮やかに際立ったシルエットを描く。

そう、アンドレ・ギャニオンの「風の道」という私の好きな曲が
このシーンにピッタリする。
夕日を浴び、美しい秋の一日の終焉を迎えようとする公園も、ゆったりと
静かに展開する「風の道」も、平和な表情に満ちている。

「風の道」は、ちょっぴりメランコリックで、物憂げで、ロマンチックで
どこかはかなげでもある。
それは、まさしく、落ち葉のカーペットを敷き詰めたような、秋の公園の一日が
暮れようとする、こんな情景に重なると思いませんか ?

それにしても、何ていい曲なんだろう!

風の道
アンドレ・ギャニオン
ビクターエンタテインメント

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このCDを聴かないとヤバイぜ。

2005-10-05 23:01:08 | たまに聴くならこの一枚

いや、それにしても良い季節になったね。
暑からず・寒からず、晴れて良し・降って良し、の毎日だね。

空は高く澄み、雲は白く流れ、木々は色づき、虫たちは美しく鳴く。

この季節、やはり何だかんだ言っても、究極の秋はやはり、バッハや
スカルラッティなどの「古楽」の魅力にあるのでは?
例えば、村治佳織さんのCD「シンフォニア」の冒頭に出てくるスカルラッティ
のソナタK.380や、6番目のバッハのシンフォニアや、19番目の
ヘンデルのオンブラ・マイ・フ等など、「これぞ秋!」っていう感じしない?

正直言って、私は今このCDにハマっています!
チェンバロやピアノで弾くのが当然とされていたこれらの曲を、村治さん独自
の解釈と技術でギターでここまで弾きこなすのはスゴイ!
(これらの曲が本来ギターの為に作曲されたかのようにさえ聞こえる)。

とにかくこのCDを一度試しに手にとって試聴してみてごらん。
「このCDを聴かないと、人生の中で最も良いものの一つを見過ごすことに
なりますよ」と言ったら、その良さ・魅力を分かってくれるかしらん。

シンフォニア
村治佳織, スカルラッティ, バッハ
ビクターエンタテインメント

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「お友達になれない・・・?」

2005-09-26 22:23:34 | たまに聴くならこの一枚


1歳半のコウタロウと、飼い猫のヤマのある日の会話。

コウタロウ:「ねぇ、僕、友達になりたいなぁ。とりあえずそのヒゲを
       引っ張らせてくれない?」
猫のヤマ :「うっせえなぁ。 これだからガキはうるさくてイヤだよ。
       俺ってもう中年だから少し放って置いてくんない?」

まあ、こんな会話をしたかどうか知らないが、この二人はお互いに
相手に強い関心を持ちつつどう接したらよいか迷っているフシがある。

エラとルイの「Can't We Be Friends(お友達になれない?)」も、なんとも、
ほのぼのした1曲だ。 
どちらも大ベテランだけに、歌がうまいというレベルを通り
越して聞いている人をほんわり、ほのぼのとさせる力を持っている。
二人の掛け合いからデュエットへ移っていく自然さを聞くと、エラもルイも
すごく楽しんで歌っている様子が伝わってきて、こちらまで暖かくなる。
好きな人と一緒にいる時、家族で楽しい夕食の時、などにこの曲を聴くと
その楽しさが3倍くらいになるよ。

Ella and Louis
Ella Fitzgerald & Louis Armstrong
Verve

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「ちょっと寄ってみただけさ」

2005-09-25 00:29:08 | たまに聴くならこの一枚


「ちょっと寄ってみただけなんだ」と甘く渋い声でジョニー・ハートマンは歌う。

しかし、男の真意が「ちょっと寄ってみただけ」ではないことは前後の歌詞を聞けば分かる。ましてかつては互いに愛し合っていた二人だもの・・。
「この頃はようやく君の居ない淋しさにもなれてきたんだ・・・」と言うがそれは男の強がり。
あれこれ言い訳し男はかつての恋人の家を去っていく・・その淋しげな男の後姿がハートマンの声に重なって私の胸を打つ。
ハートマンの渋い歌声がさりげないだけに、かえって、哀しげに去っていく男の切ない心情が倍加して私には感じられる。
「これこそジャズヴォーカルの真髄!」、と言えるほど哀愁が漂う、男の切なさに満ち(それゆえに美しさの溢れる)1曲ではある。

よく晴れた休日、都会の海の向こうに沈んいく美しい夕日を眺めながら、私はハートマンの歌声に乗せて男の後姿を想像してみるのだった。

I Just Dropped By to Say Hello
Johnny Hartman
Grp Records

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あなたに、メロメロ。

2005-07-31 15:16:22 | たまに聴くならこの一枚
「もうダメ、昼も夜もあなたの事が忘れられなくて・・。あなたにメロメロよ!」
なんて事を耳元で美しい女性からささやかれたら、どうしますか?

数年前の或る日、HMVでジャズヴォーカルのCDを物色中だった私は、当時殆ど無名だったステイシーから恥かしそうにそう言われたのでした(尤も、その告白はCD売場のスピーカーからなんですけど、ね)。もちろんそのCDはすぐさま衝動買いしました。
ステイシーって、声質が柔らかいアルトで清純な感じがするのに、時々コケティッシュな部分もありで、「健康的なお色気」といったら良いのかな。こういうラブバラードにはピッタリなんですよ。

1曲目の「あなたにメロメロ」はもちろんだけど、3曲目の
「Isn't It A Pity?」も捨てがたい。つくづく思うんだけど、ジャズボーカルって
素晴らしくオシャレな歌詞に溢れているんだよね、小粋なハイセンスなリリックが。
この曲なんかも、ラブバラードなのに哲学者・ショーペンハウエルや詩人・ハイネの名前が出てきて、それが却ってロマンチックな歌の雰囲気を盛上げていて・・。

たまにはこんな、しっとり系ヴォーカルをじっくりワインでも傾けながら聴いてみるのはどうだろうか?

Dreamsville
Stacey Kent
Candid-Navarre

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