すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

野村総一郎「うつ病をなおす」

2005-02-20 19:12:25 | 書評
インパクトのある単語を繰り返すだけで、実際には詳細な説明を行わないというので、小泉首相が盛んに批判されていたことがありました(今も、時折、同じように批判されていますが)。
そんな首相の態度は、「ワンフレーズ・ポリティックス」と呼ばれておりました。

テレビに出ている多くの人間が、この「ワンフレーズ・ポリティックス」という単語を盛んに口にするものですから、うんざりした記憶があります。

最初に考えて人は、えらいですけどね。
何度も聞かされていると、その批判自体がワンフレーズだよなぁ、と………。


ちなみに最近うつ病が日本で増加していることは、日本社会全体が旧来のルールを見失いつつあることと関係しているかもしれない。つまり、重みづけができず自己決定能力の低さゆえに社会のルールに頼る傾向の強いうつ病者が、判断基準を失って、うつ病者の増加を生んでいる可能性がある。(野村総一郎「うつ病をなおす」198頁 講談社現代新書)

肌では、僕も権威の失墜や常識の流動化を感じるんですが、そういった意見は、どうも安易に使われ過ぎているような気も。(後は、「時代の閉塞感」とか「管理社会の行き過ぎ」なんかも、よく使われますな)
そもそも資本主義社会は、打ち立てられたシステムを絶えず倒して進んでいくことで成立する体制だからなぁ。

まっ、本の内容とは全然関係ない感想ですけど。


本書では、非常に分かり易く、うつ病の解説がされています。
うつ病に興味のある方は、ぜひ。(うつ病に興味のない方は、まったく用無しだと思います)


うつ病をなおす

講談社

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1 コメント

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Unknown (SXRIsuicideJapan)
2015-08-24 15:51:50
FDAにより自殺関連警告の出された2004年においてさえ、
「SSRI 安全性が高く、非常に安心感のある薬」
「正統派、完投型のエース」
と野村は書き続けた
2004年11月20日 野村総一郎 出版本 頁127
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