もういいよ、若貴問題は………
私だけでしょうか?
「雅子様のご回復には、どうすればいいのか?」
と思い出してように朝の番組で放送されることがあるけど、「一番いいのはマスコミが静かにして、プレッシャーを与えないことなんじゃないだろうか?」と思うのは、私だけでしょうか?
私だけ?
「ニッポニアニッポン」を読みました。
妄想にとりつかれた少年が、「人間の書いたシナリオ」によって生かされているトキに自分を重ね合わせ、トキを解放(殺害)すべく佐渡に渡るという話です。
この小説の主人公の性格なんですが、どうも完璧すぎるんだよなぁ。
・自分のことを優秀な人間と思っている。
・女性に対して、変質的な性愛を抱いている。
・女性に嫌われているのに、ストーカー行為を繰り返す。
・インターネットによって、自己の妄想を肥大化させる。
・暴力的に親を支配して、完璧に依存しきっているが、一方で軽蔑している。
主人公の傾向を簡単に列記してみました。
どうでしょう? どっかの事件の犯人を思い起こさせるものばかりです。
それが、まずまず無理なく統合されているんですが、…………どうも完璧過ぎて、紋切り型の弊害が出ております。
でも、解説を読んだところ、この「紋切り型」というのも、もしかしたら、作者の作戦なのかもしれません。
が、それが、なにを意味しているのかまでは、僕には、ちょっと分かりませんでした。
また解説では、物語中の二人のヒロイン(?)、「本木桜」は「カードキャプチャーさくら」の「木之本桜」、「瀬川文緒」は「おジャ魔女どれみ」の「瀬川おんぷ」に由来していると書いてあります。
そのことは、表紙をからも分かるそうです。
左の子の手には「カードキャプチャーさくら」の「封印の杖」が握られおり、右の子の髪型は「瀬川おんぷ」と同じだそうです。
分かるでしょうか?
あんまり「カードキャプチャーさくら」と「おジャ魔女どれみ」は詳しくないのですが、なんとなく僕にも分かりました。
が、なんで、その作品からキャラクターの名前を借りただけではなく、表紙に登場させたのか? までは分かりませんでした。性格が似ているのでしょうか? 彼女たちにまつわるエピソードが、小説中でパロディにされているのでしょうか?
それとも、単なるお遊び?
さらに言えば、「瀬川文緒」というのは、佐渡で主人公と行動を供にする少女なのですが、個人的には、あまり意味を見出せないキャラでした。
主人公のトキ殺害計画を知った少女の言葉です。
なんで、こんなこと言わせたのかなぁ。
「稲中卓球部」の古谷実の作品では、どうしようもない男でも、適当に小奇麗な女性が惚れるようになっているけど、それと同じで、「誰でも愛してくれる女性が、いるもんだよ?」と言いたいのでしょうか?
うーむ。
それは、さて置き。
トキというのは、天皇の暗喩です(少なくとも、「トキ」=「天皇」と読めるような仕組みにはなっています)。
そんなわけで、今の皇太子妃問題と、ちょうど重ねて読めます。
まぁ皇太子妃問題に興味がなくても、おもしろく読めると思います。
個人的には、ちょっと物足りないものがありましたが…………。
私だけでしょうか?
「雅子様のご回復には、どうすればいいのか?」
と思い出してように朝の番組で放送されることがあるけど、「一番いいのはマスコミが静かにして、プレッシャーを与えないことなんじゃないだろうか?」と思うのは、私だけでしょうか?
私だけ?
「ニッポニアニッポン」を読みました。
妄想にとりつかれた少年が、「人間の書いたシナリオ」によって生かされているトキに自分を重ね合わせ、トキを解放(殺害)すべく佐渡に渡るという話です。
崇高な稀少動物トキは、何しろあまりに非力であり、抵抗の術すら剥奪されてしまい、もはや操り人形みたいなものに改造されかけているため、俺の援助を強く必要としている。俺もまた、世間から自分という存在を消されぬために、トキの境遇を利用して、独自の行動を起こさねばならない。それゆえに運命が、俺とトキを固70 く結び付けた。トキは、復讐の協力を得る代わりとして、俺の人生に多大な意味を付与し、有意義な変革へと導くだろう。必ず、そうなる。俺をT入にしたことを、この国の連中すべてに後悔させてやる…… 阿部和重「ニッポニアニッポン」69~70頁 新潮文庫 |
この小説の主人公の性格なんですが、どうも完璧すぎるんだよなぁ。
・自分のことを優秀な人間と思っている。
・女性に対して、変質的な性愛を抱いている。
・女性に嫌われているのに、ストーカー行為を繰り返す。
・インターネットによって、自己の妄想を肥大化させる。
・暴力的に親を支配して、完璧に依存しきっているが、一方で軽蔑している。
主人公の傾向を簡単に列記してみました。
どうでしょう? どっかの事件の犯人を思い起こさせるものばかりです。
それが、まずまず無理なく統合されているんですが、…………どうも完璧過ぎて、紋切り型の弊害が出ております。
でも、解説を読んだところ、この「紋切り型」というのも、もしかしたら、作者の作戦なのかもしれません。
が、それが、なにを意味しているのかまでは、僕には、ちょっと分かりませんでした。
また解説では、物語中の二人のヒロイン(?)、「本木桜」は「カードキャプチャーさくら」の「木之本桜」、「瀬川文緒」は「おジャ魔女どれみ」の「瀬川おんぷ」に由来していると書いてあります。
そのことは、表紙をからも分かるそうです。
左の子の手には「カードキャプチャーさくら」の「封印の杖」が握られおり、右の子の髪型は「瀬川おんぷ」と同じだそうです。
分かるでしょうか?
あんまり「カードキャプチャーさくら」と「おジャ魔女どれみ」は詳しくないのですが、なんとなく僕にも分かりました。
が、なんで、その作品からキャラクターの名前を借りただけではなく、表紙に登場させたのか? までは分かりませんでした。性格が似ているのでしょうか? 彼女たちにまつわるエピソードが、小説中でパロディにされているのでしょうか?
それとも、単なるお遊び?
さらに言えば、「瀬川文緒」というのは、佐渡で主人公と行動を供にする少女なのですが、個人的には、あまり意味を見出せないキャラでした。
「あたし、よく判らないけど……その、鴇谷さん、あたしは、鴇谷さんは、いい人だと思う。だから……」 阿部和重「ニッポニアニッポン」159頁 新潮文庫 |
なんで、こんなこと言わせたのかなぁ。
「稲中卓球部」の古谷実の作品では、どうしようもない男でも、適当に小奇麗な女性が惚れるようになっているけど、それと同じで、「誰でも愛してくれる女性が、いるもんだよ?」と言いたいのでしょうか?
うーむ。
それは、さて置き。
トキというのは、天皇の暗喩です(少なくとも、「トキ」=「天皇」と読めるような仕組みにはなっています)。
そんなわけで、今の皇太子妃問題と、ちょうど重ねて読めます。
まぁ皇太子妃問題に興味がなくても、おもしろく読めると思います。
個人的には、ちょっと物足りないものがありましたが…………。
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