すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

富野由悠季「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」

2006-08-12 22:15:08 | 映画評
富野由悠季の映画は、全部足早だ


「ブライト艦長の声優鈴置洋孝さん死去」というニュースを受けて………というわけではなく(しかし、56歳は惜しい)、なんとなく「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」を見直しました。

最初に見たときは「えらく早足だな」と思ったものです。

その後、二~三回は見ていると思いますが、毎回、過去とは違う感想が持てます。

今回思った事は、二人の主人公の立場。


つまりは、
  アムロ=「体制内改革派」
  シャア=「反体制革命派」
という構図。

現実においても、「体制内改革派」は常に「妥協」「風見鶏」「無力」「中途半端」という批判があり、それはアムロにも当てはまること。

シャアにも、「その力を無駄に消耗していると、何故気が付かん。」と言われる始末。


一方。


「反体制革命派」というものは、「過激化」「悪しき理想主義」「横車」「弊害を鑑みない」という批判が付きまとうもの。

アムロは、その過剰なシャアの理想主義について、
「革命の後では気高い革命の心だって、官僚主義と大衆に飲み込まれていく」
と皮肉って(?)おります。


一応(大衆向けの)物語ですから、「優しさ」が世界を救う、というオチにはなっておりますが、……………さてね。


機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

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スティーブン・ギャガン「シリアナ」

2006-08-12 00:08:37 | 映画評
「自分のを見ればいいじゃん!」とか言うと、オヤジギャグ決定


「シリアナ」を、見てもいいかなぁ~と思っている間に上映が終わってました。

で、
「じゃ、「トラフィック」を見ていないし、見てみるか」
と、見てみると、実は未見ではなく、既に見ておりました。

あぁ年ととった。ストーリーを忘れるならともかく、見たこと自体を忘れるなんて。

しかも、見た感想は「面白い」だったのに…………。

で、二度目の「トラフィック」も、徐々にストーリーを思い出したにも関わらず、面白かったです。


そんな訳で、いやがうえにも「シリアナ」の期待が高まったのですが。
正直、難しかった。

「トラフィック」は文字通り、「交通」「往来」というだけあって、登場人物たちが錯綜するんですよ。

「シリアナ」も、基本的には「トラフィック」と同じで群像劇。

その幾人かの登場人物たちが、全く関係がないようで、徐々に一本のストーリーに収束されていく………という展開。

しかし、「シリアナ」は、背景でつながっていても、実際に交わらないことが多くて、登場人物たちが、自分たちの事件を独立で展開していきます。

このため、ストーリーが複雑でね。

俺はダメだった。


でも、アメリカ産の映画でありながらも、アメリカ政府の否定という主題は、あっぱれ。

まぁ逆に考えると、世界市場を相手にしているから「アメリカ政府の否定」というものが、モチーフを扱えるのかもね。


シリアナ 公式サイト
シリアナ goo映画


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