「タコピーの原罪」読了:交換可能性・承認欲求の枯渇・メシアもユートピアも存在しない

2022-04-26 17:00:00 | 本関係
上下巻本日読み終わった。下巻は4/4の発売日に買ったのに、えらい時間が経ってしまったことだ😅まだ読んでない人もいるだろうから、ややぼかして感想を書いてみようと思う。


ざっと目を通した感じなので細かいところは追えていないが、友人から勧められて無料版を読んだ時にコメントした、「交換可能性」の話(どうして自分がそうなりうるとは思わないのか)がむしろ主軸になっているのだと理解。


非常に優れているのは、それがテーマ的に重要であるのみならず、物語展開上の巧みさとも密接に関係していることだ。このように、テーマ性とエンターテイメント性を高いレベルで融合しているのは、幅広く受け入れられる傑作の条件の1つと言えるだろう(以前紹介した例では、アニメ版「ソウルイーター」や韓国映画「殺人の追憶」などがある)。


また、承認欲求の枯渇とその暴走を繰り返し描写されているのも、非常に今日的だと思った(最近取り上げた作品で言えば「Needy girl overdose」がその好例)。


あるいは、ドラえもん的な存在の役割が変化している(メシアもユートピアも存在しない)という部分は、旧来型の作品のシビアな読み替えという意味で魔法少女あるいはヒーローものとその搾取構造を描いた「魔法少女まどか☆マギガ」を挙げることができる(見ていないので印象論にはなるが、「クローバーフィールド」や「シン・ゴジラ」のような作品も、そのような潮流の1つに数えることができるかもしれない)。


とりあえずこんな感じ。では今から「さよなら絵梨」を読んできます。ほなまた😀

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