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古典教育、史料批判、情報リテラシー:あるいはなぜ今の古典教育は無意味と評価されるのか

2025-06-14 12:07:09 | 歴史系
    「中世ヨーロッパに初夜権は存在したか?」なるほどこれは興味深いテーマだ。というか、そこからさらに踏み込んで、「中世ヨーロッパに初夜権は存在しなかった可能性が高い→にもかかわらず、なぜその存在が信じられたのか→近代の中世観含めた政治的イデオロギー&史料批判の不足」という流れまで、一貫して説明しているところがすばらしい。というのも、このような構造 . . . 本文を読む
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ポル・ポト派、観念の怪物、AIの時代

2025-06-08 13:39:16 | 歴史系
      カンボジアのトゥールスレン収容所を訪れたのは、死臭のこびりついた場所で、歴史的悲劇というものを間近に感じる機会として、得難い経験となったように思える。   ポル・ポト派の大量虐殺そのものはよく知られた話なので詳細は繰り返さないが、ともあれその首脳陣であったポル・ポト(サロット・サル)、イエン・サリ、ソン・センなどの主要人物が、プロレタリ . . . 本文を読む
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厳島の戦い、軍記物、歴史という「物語」:「事実は小説よりも奇なり」という性質は極めて必然的であること

2025-06-03 13:54:00 | 歴史系
                      「事実は小説よりも奇なり」という言葉を最初に聞いたのがいつのことだったか、もはや明確には覚えていないが、その時の印象としては「確かに創作の方が突拍子もない話を作ることはできるが、時には現実世界で創作よりも不可 . . . 本文を読む
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実態の精緻な分析なしに、反省も対策もありえない:戦争の「悪魔化」はなぜ有害なのか

2025-05-30 11:46:00 | 歴史系
        例えば「ハンセン氏病は業病であり、前世の行いや遺伝により発病するのだ」という発言を聞けば、(今や発症原因や治療法も確立されているのに)驚くべき無知に基づいた有害な言説であり、かつそれを流布する忌むべき人間だと思うのではないだろうか。     では、戦争についてはどうだろうか?なるほど戦争の悲惨さ(病気で言 . . . 本文を読む
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刀剣にまつわる幻想と実態:虎徹、村正、備前長船

2025-04-06 13:17:20 | 歴史系
            おお、虎徹や村正にまつわる幻想と実態とはなかなかにおもしろいな。   まあ幻想の背景としては、歴史小説とゲームによるところが大きいだろう。つまり「沖田総司と菊一文字」などのように、刀が個人と結びつけられ特別視されることにより、そのイメージが独り歩きするって寸法だ(まあこの辺は刀 . . . 本文を読む
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途上国における貧困と出生率、先進国における貧困と出生率

2025-03-30 11:39:23 | 歴史系
          「貧困だから少子化って言われるけど、ベビーブームって終戦直後の日本が一番貧しかった時期に起きたんだが…」というサムネを見て、思わず爆笑してしまった。     これだとわかりにくいかもしれないのでもう少し単純化・一般化すると、これは「発展途上国は先進国より貧困率が高いのに、なぜ . . . 本文を読む
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田吾作たちの自尊心と虚栄心を煽って上に不満がいかないようにする

2025-03-26 11:40:11 | 歴史系
      大名ヒエラルキーとは実によくできた支配システムですなあ(・∀・)   まあこういう手法って、植民地支配における分割統治とかではよく見られるパターンだけど、強大な(外)敵がいない時はエネルギーの向かう先を横(や下)に集中させることで足の引っ張り合いを惹起して権力交替の動きを抑止し、もって太平の世を維持するのに役立ったわけ . . . 本文を読む
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皇帝ホンタイジに学ぶ戦略的コミュニケーション:あるいは織田信長の破滅と太平洋戦争の惨劇について

2025-03-20 16:19:57 | 歴史系
      先日、織田信長の家臣団運営がブラック企業的であり、そのコミュニケーションのあり方が最終的に明智光秀の暴走を生んで本能寺の変に到った、という話を書いた。それは信長とその家臣団の政略拡大があまりに急速なものであるがゆえのキャパオーバーに本質的な原因があり、信長としては、死ぬほど忙しい中でもちゃんと恩賞も出したり実力に応じて取り立てたりもしているので、 . . . 本文を読む
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「ブラック企業」織田家とその末路:織田信長の実像と本能寺の変の背景

2025-03-18 11:39:45 | 歴史系
          あのさあ、「忙しいからちゃんと口に出して言ってくれなきゃわかんねーっ」て言うけどさ、あんたこそ肝心なこと何も説明しようとしねーじゃんか!で、「任せたのに結果出てねーじゃねーかっ!」て後出しでネチネチ文句付けて退職に追い込むってか?おー、いーよだったらテメーのことぶっ潰してやんよ!!     . . . 本文を読む
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映画「226」とニ・二六事件の実態:あるいは現代日本との同異点について

2025-02-15 16:50:13 | 歴史系
        へえ、松竹の「226」って期間限定でフル視聴できるようになってるんやな。てか「2/26まで」ならともかく、何で2/20までなんやろなあ…って突っ込みはさておき。     映画として見ると、前提をざっくり説明した後は怒涛の襲撃を描き、そこからは群像劇という展開なわけだが、そのやり取りが、三浦友 . . . 本文を読む
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