やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

メガソーラーではなく、小規模な自然エネルギーの発電所を

2020-10-25 | 日記・エッセイ・コラム
 メガソーラーについて規制が必要という議論を行いました。
决特の質疑では時間が足りず不十分でした。先日の委員会では、北区のメガソーラー計画について中止を求める陳情が出されたのを受けて、質疑で問題点を深めました。
 もともとこの計画は、事業計画区域が、神戸市域の500分の1に相当するほどの巨大なもの。甲子園球場29個分、10数万枚もの太陽光パネルを設置するとのこと。ちょっと想像がつきません。
そもそもメガソーラーには懐疑的でしたので、疑問点をただしました。
現地へうかがったのですが、のどかな田園地帯が広がっている地域です。新聞記事では、生物の希少種は神戸全体の6分の1が存在するとのことで、開発は、生物多様性の観点からも決して好ましくはありません。また、地域を流れる河川への開発による負荷も相当なものだろうと想像がつきました。なにしろ、自然林を大規模に伐採するわけで、保水能力を人為的に喪失させることになります。調整池を設けたからそれでいいという話ではありません。周辺には開発団地が広がり、開発のたびに川が大きくなり、いまでは一定の護岸と川幅、深さをもつそこそこの河川になっています。昔は小川だったそうですから、開発による負荷は相当なものと想像できます。
昨年の台風時には増水し、反乱の危険があったとかで、こんなことははじめてだったと聞きました。
 さて、議論では、ひとつには地元の理解が十分に進んでいないこと、むしろ反対の声が広がっているのに進められないではないかと問題を投げ掛けました。
二つ目には、自然環境への負荷が大きいということ。切土、盛土で造成するため、豪雨時の盛土の確かな安全性は担保できるのか疑問です。また、生態系への影響も小さくありません。移植などしても、生物がその環境での生育に失敗すると取り返しのつかないことになります。
失った自然はもとに戻すには相当な気の遠くなるような時間を要します。
さらに、土砂災害が発生し、区域外の田畑に被害を及ぼしたら、土への影響も生じます。何代もかかってつくりあげてきた作物の生育に適した最適の環境である土地。損なわれてしまえば社会的な損失です。
 3点目には、電磁波です。変電所への送電線が通るエリア周辺では、電磁波への影響に対する不安が出ています。
健康への影響については因果関係がはっきりしていないという指摘もありますが、そうでしょうか?
電磁波については様々な影響が世界的に指摘されているとともに、電磁波被害ともいえる被害が多く報告されています。
因果関係がはっきりしないという理由で、不安視する声を退け、推進する理由はありません。
 議論したのは、だいたいこうした観点でした。
そもそもメガソーラーで地域の経済循環がつくれるのか、疑問です。さらに大規模災害時に迅速な復旧ができるのか、むしろ比較的小規模な発電所をいくつも作った方が地域経済や雇用には役立つし、災害時にも復旧が早く進むのではないでしょうか。メガソーラーは、化石燃料をつかった発電がそのままメガソーラーにシフトするだけのようなもので、経済循環の仕組みはなにも変わりません。
自然エネルギー政策の推進は、経済循環のありかたまで問うているとおもうのです。
 神戸市の太陽光発電設備に対する規制は、かなり厳しくされています。ですが、それでも建てさせないというところまでは踏み込んだものではありません。現状では、土地所有者の財産権に抵触する可能性があるためという話を聞いたことがあります。ならばやはり国の対策が大切です。規制しようという動きもありますが、迅速かつ適切な判断と対応が求められていると思います。
メガソーラーではなく、小規模な自然エネルギーを利用した発電所を増やすこと。地域にとっても利点が多いと思います。