やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

須磨水族園の建て替え、問題いろいろ②

2019-10-30 | 日記・エッセイ・コラム
 きのう、須磨水族園の問題をかきました。
きのうにつづき、きょうは角度を変えて、新水族館問題について書きます。

 P-PFIによる海浜公園の再整備について優先交渉権者が報告されたのが9月の常任委員会。
いろいろ調べてみると、公募指針というのがありました。神戸市が、民間による整備にあたって求める施設などの水準や条件などを規定したものが縷々書かれています。
そこに水族館についても、ある程度どういうものが求められているのか、記載がありました。
色々読んでいくうちに、疑問が。
選考にあたって評価点というのが示され、水族館については110点という配点が示されていました。
先日の常任委員会で取り上げたのですが、この評価点、ばくっと110点と示されているだけで、その根拠が全く示されていません。
公募指針で示された条件から評価内容については類推できるのですが、それがどう点数に反映されるのかは全くの不明。
つまり点数の根拠がまったくわかりません。何度も質問しても、明確な答えがありません。
ますます疑問が膨らむばかりであり、聞けば聞くほどわからないというのが率直な感想です。
2つの応募業者がありますが、水族館についての評価結果はそれぞれ80点台、60点台と結果が報告されています。
では、それが何を積み上げてその点数になったのか??
点数を客観的に判断する材料が何もありません。
平たく言うと、点数は審査員の裁量にゆだねられていることになり、どういう判断でその点数が導き出されたのか、客観的に評価できないといわれても仕方がないといえます。
すくなくとも根拠はきちんと示されるべきです。
特に、これまで存在していた市立の水族館を廃止することになるわけですから、市民が納得できるように判断材料を示すのは当然です。

 業者が決定したわけではありません。あくまでも優先交渉権者として決まっているだけです。
このまま決定に突っ走るのであれば、市民の納得は全く得られないと思います。
透明性は確保されるべきです。
少なくとも、こういう決め方では、私は納得できません。


須磨水族園の建て替え、問題いろいろ①

2019-10-29 | 日記・エッセイ・コラム
 須磨水族園の民間による建て替え運営について議会で報告されて以降、この問題を取り上げ、1年以上になります。
この間、議会の質疑を見て、また聞いて、いろんな方からお声を頂戴しています。
はじめ、この問題で報告を受けたのは、昨年の企業建設委員会でした。
須磨海浜公園の管理運営を、P-PFI(パークPFI)という手法を用いて、民間に委ねるという報告を受けました。
水族園とシーパル須磨は公立の施設としては廃止。両施設とも民間でやっていくというもので、最大30年間の管理委託を行うということでした。
この仕組みは安倍政権によって導入されたもので、各地で導入実施されています。
私は、そもそも公共空間を特定の民間企業などに独占的に占有させる仕組みというのには疑問を感じていました。あくまでも公共空間ですから、公園そのものを民間に管理委託させるということ自体に抵抗があります。
そのP-PFIの問題を取り上げてから1年以上が経過。いまは、須磨水族園を所管している経済観光局を担当する経済港湾委員会に所属し、水族園問題を取り上げてきました。

 いくつか問題点があります。いま多くの声として私のもとに寄せられているのは、「優先交渉権者」の提案した新水族館の入園料の料金です。
今回は、入園料について触れておきたいと思います。
この料金問題をめぐっては、署名運動も行われているようです。
さて、その料金案。大人ひとり3100円、小中学生でも1800円、のびのびパスポートは使えません。のびパスを使えば小中学生は無料で楽しめる大事な仕組み。
学校が終わった後、毎日のように通っている小学生もいるように聞いています。
いつぞやの質疑で、いま利用している人たちが行けなくなるような料金にならないか?と質疑をした記憶がありますが、心配した通りのことに。
いまは大人で1300円ですから、2.6倍もの値段です。神戸市は、公募指針で子ども料金については“ふみこんだ料金”を求めるとしていましたが、結果としてでてきたのは年に1回だけ500円というもの。あとは1800円の料金となります。
これを踏み込んだ料金といえるのか、大いに疑問です。選考委員会で問題とならなかったのか、何を基準に判断したのか全く疑問でしかありません。
3100円というのは国内の水族館でもトップクラス。
優先交渉権者の企業グループのなかに鴨川シーワールドを運営している業者もはいっていますが、その鴨川シーワールドでも3000円。
そこでは年間パスポートもいくつかありますがかなり高額で、なかなか簡単に手の出る料金ではありません。特に家族で、となると大変な料金になります。

 1回だけで水族園問題は言い尽くすことはできません。多くの問題点を抱えたまま見切りスタートを切ろうとしているのが今の状況です。
しかし、このまま進めていいのか、多くの疑問を感じざるを得ません。
シャチの問題や、選考のあり方など問題点をいろいろ指摘してきました。また、機会を見て須磨水族園の問題点を取り上げたいと思います。