やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

「子どもの貧困」と政策提起に思う

2009-02-12 | 雑記帳

 先日、しんぶん赤旗日刊紙に、国立社会保障・人口問題研究所国際関係部第2室長の阿部彩さんのインタビュー記事が掲載されていました。たまたま、阿部氏の「子どもの貧困」(岩波新書)を読み終えたばかりだったので、実にタイムリーだと驚きました。インタビューの内容は、本の内容が凝縮されているような中身で、とてもよくまとまって読みやすい記事でした。いろんな資料を様々な角度から分析し、社会保障について特に日本は負担がいたずらに重いだけで、社会保障として機能していないこともよくわかる豊かな分析がされていました。以前から、赤旗では貧困率を用いて外国との比較を行っていますが、税などの所得の再分配を行うことによって、外国では貧困率が下がっていますが、日本では逆に貧困率があがるという、逆転現象が起こっているということもはっきりと示されています。つまり、所得の低い人の負担が重くなっているということであり、日本の税制や社会保障費の負担のあり方に大きな問題があるということがよくわかります。とても参考になりました。

 なによりも興味深かったのは、子ども政策への問題提起です。少子化対策などにとどまらない、子ども対策という提起の内容は、考え方としてとても参考になりました。特に「保育園が貧困に対する”最初のとりで”としての役割を十分に発揮できるよう、人を増やし、家庭が抱える問題点をいち早く発見して対応できるように政府がバックアップすることももとめられている」と。同感です。公立保育所の民営化という方針は、ベクトルが全く逆に向いています。こどもたち一人一人の成長を、社会全体で支え保障していく、そんな豊かでダイナミックな政策への転換、また政策提起を大いにやっていきたいと思います。


生活相談に思う…

2009-02-01 | 雑記帳

 近頃、時間を争う相談、そしていくつもの複雑な事情の絡み合った相談など、生活相談への対応に追われています。少し前までならそれでも何とかなっていた、ところが今日のような状況になって一気に歯車がかみ合わなくなってしまった、そんな事態が一気に押し寄せている感じです。

 少し前になりますが、しんぶん赤旗の連載で「子どもと貧困」という記事を読みました。連載の第1回目。「食べ物をください」と通りすがりの人に食べ物をもとめる子どもの記事でした。これは他国の出来事ではありません。学校の給食以外まともに食事もままならないことや、夏休みには給食がなく、プールに来た際に見かねた先生たちがおにぎりやカップめんをもたせたり…、結局その子は、自ら児童相談所に行きそのまま保護されたという内容でした。はたして、子どもの心の中はどんなだったろうと、一人の親として、とても涙なくして読めない記事でした。ほんとうにこのままではすまされない。国会の議論は腹立たしさがこみ上げてくるばかりです。