しんぶん赤旗日曜版の5月31日号。いい記事でした。俳優の渡辺えりさんと歌手でドラマにも出演している小泉今日子さんのWEB対談が目を引きます。エンタメ界はコロナ下で活動の自粛や中止、休止を余儀なくされ死活問題となっています。
渡辺えりさんは折に触れいろいろ社会問題について発言されてきましたが、小泉さんの登場は、正直意外でした。ふだんから発言内容について触れる機会がなく、記事を読みとても新鮮でした。
小泉さんは、同世代。「60年代に生まれた私の役割はなんだろうと考えたとき、親世代の記憶を繋ぐこと、バトンを次に渡すことと思ったんです」と率直に語っています。そして、「文化や芸術、芸能にはそんな役割があると思う」「はじめて演劇を見たとき人のエネルギーが見える気がした」「人間から溢れる生のエネルギーを早くまた劇場でみたいし、お見せしたい」と話しています。私がはじめて本格的な演劇を観たのは、中学の時でした。観るおわったとき、不思議な高揚感を感じたのを覚えています。
ゴールデンウイークのある日、年に一度鑑賞することにしている劇団が芝居をライブ配信することを知り、鑑賞しました。別役実さんの戯曲でした。何となくスッキリしない気分の毎日でしたが、心地よい充実感に包まれた感じでした。とはいっても、劇団も団員も収入がないなかでの「公演」。コロナ下で文化の根が枯れてしまわないように具体的な手だてと、迅速な支援が必要です。
渡辺さんは、予定している公演を延期すると、ご自身で3~4千万円の損害になるとのこと。キャンセル料だけでも数百万円とか。「貧しい人ばかりが我慢する時代はそろそろ終わると思いたい、みんなが弱い立場の人を思いやる優しいくにになってほしい」と渡辺さん。「日本では、政治のことを口にすると、すぐに何派だと言われ、それを気にしてみんな口をつぐんできた。こんな世の中にしてしまったのは、私も含めて、黙ってきた自分たちのせいでもあると、多くの人が気づいた気がします。少なくとも私はそう思いました」と小泉さんは結んでいます。お二人の今後の活躍と、発言、発信に大いに期待したいと思います。
とても赤旗らしい、記事でした。