小さい頃から小食で、
いつも母から「食べなさい!」と叱られ続けていた。
それが嫌で嫌で、
その恐怖もあってだと思うけど
もともと食が細いのに、食べることも嫌いになっていった。
毎月の体重測定の結果を記録した「健康手帳」に保護者印を貰うたび
母が「全然増えてないよ、もっと食べなさい!」と言うもんだから
自分は小柄で痩せているとずっと思っていた。
ところが小学校5年生の時に、担任が発表した
『このクラスで一番身長と体重のバランスのいい人』の女子の部で
なんと私が一番になった!
そうか、私ってすごく理想的な体型なのか、
なんだいいんじゃ~ん、このままで、とすごく自信がつき
私はちょうどいい体格の持ち主だと、すっかり自分に刷り込んでしまった。
おかげでその後ジワジワと体重が増えて行ったにもかかわらず、深刻な問題ではなかった。
だから中学2年の時、2階のベランダから下の渡り廊下を歩く私に向かって
クラスメイトの神山他数名の男子が
「ハナウタ デ~ブ~ ブ~ス~」
と絶叫した時も、一体なんのことを言っているのかわからなかった。
日頃、おじの修ちゃんやしげちゃんから
「うたこは可愛いなぁ」
って言われてたから、
まさか自分がブスだと思わなかった。
だから思春期なのに全然傷つかなかった。
「あの人ら何言ってんの?頭おかしいんじゃない??」
と思って無視していた。
更には、
あまりにしつこいものだから うっかり
「もしやあいつ私に気でもあるんじゃなかろうか?」
とまんざらでもない気までしてきて、おかげで今でもとてもいい思い出だ。