久慈 水産加工関連業大原商店 大原克己 未払い設備費計3.8億円

未払い設備費計3.8億円　国補助利用・久慈の被災業者 ２０１５年４月２２日

　東日本大震災で被災した久慈市長内町の水産加工関連業大原商店（大原克己社長）が、国の補助事業を用い補助目的外の廃棄物処理設備を導入したとされる問題で、同社が補助金などで機器を整備した代金と関連工事費の一部の計約３億８１００万円が納入業者などに支払われていないことが２１日、関係者への取材で分かった。

　県や市によると、整備したのは水産加工で生じる残りかすを飼料などに処理する設備で、水産庁の水産業共同利用施設復旧支援事業などを活用。久慈市冷凍水産加工業協同組合（２０社）が事業主体となり、組合加盟の大原商店が委任を受けて導入を手掛けた。

　県によると同事業の補助金は２０１１、１２年度合わせて計１４億４００万円。１２億６千万円が同商店に支払い済み。昨年６月に機器の納入業者から１２年度事業分の未払いを指摘されたという。

　同組合などによると、１１年度分の納入業者４社に対する計約１億２７００万円、１２年度分の１社に対する約１億５４００万円が未払いとなっている。５社は県外の業者という。また関係者によると、機器整備に伴う配管など関連工事費の一部約１億円も地元業者に支払われていないとされる。