水産業界事件記録

水産業界で発生した事件の報道記録

宮城県議 仁田和広容疑者(72)逮捕 あっせん利得容疑 「仁田案件」県庁内で警戒

2022-10-02 13:24:44 | 日記

 

2022年10月06日 河北新報
[「報酬目的ではない」 逮捕の県議、容疑否認 金銭授受は認める 宮城・あっせん利得事件]
被災企業支援のグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反事件で、宮城県警に逮捕された自民党県議仁田和広容疑者(72)=宮城県七ケ浜町吉田浜=が金銭を受け取ったことを認めつつも容疑を否認していることが5日、関係者への取材で分かった。同法は、あっせんの見返り目的での金銭授受を禁止しており、県警は動機面を詳しく調べている。
関係者によると、仁田容疑者は同法違反(利益供与)の疑いで逮捕された会社役員の男(61)=塩釜市=から「50万円は受け取った」と供述する一方で、「報酬目的ではない」と語り、寄付など別名目での授受だったと主張している。
グループ補助金は2021年の宮城、福島両県で最大震度6強を観測した地震の被災企業が対象で、会社役員が経営する水産加工会社は十数億円の補助金を申請したが、宮城県に被害実態に見合わない過大申請とみなされ、受理されなかった。
仁田容疑者の逮捕容疑は、補助金が申請通り交付されるよう会社役員から口利きを依頼され、1月上旬、議会庁舎で審査担当の県職員に「本会議で問題にする」などと語って交付を働きかけ、同月中旬に会社役員から報酬として現金50万円を受け取った疑い。

 

2022年10月03日 河北新報
[宮城県議会の議場。一般質問では議員が執行部に県政課題をただす]
OB「聞きたくない」
「聞きたくない言葉だね。ぞっとする。かつて上司に『こんなつまらないことで本会議に質問を出させるな』と怒られたことを思い出す」
70代の県OBが30年近く前の出来事を振り返る。
「本会議で問題にする」は、県議会の本会議で一般質問をすることを指す。議員が住民を代表して知事ら県の執行部に、行政サービスや将来の方針、課題などについて、直接質問することを意味する。
職員は質問に答えるため答弁書を作り、担当部長や知事への説明を経て、本会議に臨む。質問の通告を受けてから一般質問の日まで期間が短く、担当課の職員の負担は大きい。
70代OBは「半信半疑の内容を質問されると、徹底して調べるのに時間がかかった。痛くもない腹を探るような質問を受けることで、逆に知事から疑われるのも嫌だった」と話し、「事前の根回しで、本会議で変な質問をさせないことが評価された」と打ち明ける。
現役「どうぞどうぞ」
一方、現役世代は受け止め方が違う。「『質問する』と言われたら、『どうぞ、どうぞ』というのが正直な気持ち」と40代職員。答弁書作りが負担になることには同調しつつ「それが本業。当たり前過ぎて、脅しや『影響力の行使』だとは思わない」と語る。
県庁内の変化の背景には、知事が逮捕された1993年のゼネコン汚職事件や県職員が県議に公共工事の予定価格を漏らした2001年の競売入札妨害事件がある。両事件を受け、県庁内で政治家との接触歴を一部記録するなど、不当な圧力を排除する動きが強まった。
接触歴オープンに
東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は「脅し文句に効き目があると思っていたのは本人だけだったのではないか。いまだに残る政治家に頼めば何とかなるという雰囲気が議員の権力の源泉にもなっている。議員と職員の接触歴を全部記録に残し、オープンにしていけば、政治圧力を使った事件は減っていくだろう」と語る。
逮捕容疑は、仁田容疑者は、宮城県塩釜市の水産加工会社社長(61)からグループ補助金を満額で受けられるよう口利きを依頼され、審査担当の県職員に「本会議で問題にする」などと語って交付を働きかけ、1月中旬に社長から現金50万円を受け取った疑い。補助金は交付されなかった。


2022年10月02日 河北新報
[逮捕の宮城県議と水産加工会社役員 震災後に関係深めたか あっせん利得]
被災企業支援のグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反事件で、宮城県警に逮捕された自民党県議仁田和広容疑者(72)=宮城県七ケ浜町吉田浜=と、水産加工会社役員の男(61)=塩釜市=が東日本大震災後に関係を深めていたことが1日、関係者への取材で分かった。
複数の関係者によると、会社役員は震災後、仁田容疑者の県議選(多賀城・七ケ浜選挙区)に関わるようになり、後援会関係者として事務所開きなどにたびたび顔を出した。
仁田容疑者が8選を果たした2019年選挙の事務所開きで、会社役員は周囲に「震災からの復興でお世話になった」と話していた。その前後に多賀城市のホテルであった県政報告会でも登壇。塩釜市の水産関係者は「選挙区外の塩釜の社長がなぜあいさつするのかと不思議だった。2人は特に関係が深いと思った」と話す。
一方、震災前の付き合いは薄かった。仁田容疑者の選挙に20年以上関わる多賀城市の会社社長(70)は「会社役員の姿は震災後しか見たことがない」と強調。後援会幹部の70代女性も「昔からいるイメージはない」と強調する。
会社役員自身、震災前は政治と関わりが薄かったとみられる。震災前まで水産加工会社に勤務していた男性は「一匹おおかみ的な会社役員は誰かを頼ることもなく、後援会に入ったり、政治家のパーティーに行くこともなかった」と語る。
この水産加工会社は東日本大震災後、13年1月~19年12月に計4件、総額約8億円のグループ補助金の交付決定を受けた。21年2月の福島県沖地震でもグループ補助金の交付を受けようとして、役員の男が仁田容疑者を頼ったことが今回の事件の端緒になったとみられる。
仁田容疑者の逮捕容疑は、会社役員からグループ補助金が申請額で交付されるよう口利きを依頼され、議会庁舎で1月上旬、審査担当の県職員に「本会議で問題にする」などと県議の影響力を使って交付を働きかけ、同月中旬に報酬として現金50万円を受け取った疑い。会社役員は報酬を支払った疑い。

2022年10月01日 河北新報
[「仁田案件」宮城県庁内で警戒 県議口利き 以前も対応困難な要望か]
被災企業支援のグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反事件で、逮捕された自民党宮城県議仁田和広容疑者(72)=宮城県七ケ浜町吉田浜=が過去にも、被害実態に見合わない補助金申請を仲介したり、対応困難な案件を働きかけたりした可能性があることが30日、県関係者への取材で分かった。
仁田容疑者が県職員を呼び、口利きをするのに使ったとみられる県議会庁舎の応接室
複数の県関係者によると、仁田容疑者が持ち込むのは公平性をゆがめる恐れのある補助金や許認可の申請もあり、「仁田案件」として県内部で慎重に検討するよう情報共有していた。
県関係者は「仁田容疑者と心中したくはない。仲介する案件は絶対に受けるなと部下に言っていた」と証言。面会を希望する水産業者に「仁田容疑者を県庁に連れてこないでくれ」と求めたという。
仁田容疑者から働きかけられた際の対策も取っていた。「『仁田案件』は危ない。言った言わないの水掛け論になるリスクがあり、それなりの役職の職員が単独ではなく複数で対応した」と元県幹部。現職の県幹部は「補助金や許認可が絡む無理難題を言ってくる。若手を面会に行かせることはできなかった」と語る。
警察も働きかけ把握
事件でも、逮捕された水産加工会社役員の男(61)=塩釜市=が申請しようとした補助金は十数億円と被害実態に見合わない過大な額だったとされる。仁田容疑者は交付決定が難しい会社役員に対する補助金について、満額交付を県側に働きかけたとみられる。
県警も仁田容疑者が県に働きかけを繰り返していたことを把握しており、事件との関連を調べる。
仁田容疑者の逮捕容疑は、会社役員からグループ補助金を申請する金額で交付決定が受けられるよう口利きを依頼され、議会庁舎で1月上旬、審査担当の県職員に「本会議で問題にする」などと県議の影響力を使って交付を働きかけ、同月中旬に報酬として現金50万円を受け取った疑い。会社役員は報酬を支払った疑い。

2022年10月01日 河北新報
[「グループ補助」104回言及 あっせん利得事件 仁田容疑者の県議会発言分析]
被災企業支援のグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反事件で、河北新報社は30日、宮城県議会会議録検索システムを使い、逮捕された自民党県議仁田和広容疑者(72)=七ケ浜町吉田浜=の過去の発言を分析した。事件のキーワード「グループ補助(金・事業)」は約100回登場。仁田容疑者が県職員に口利きしたとされる1月以降の発言を人工知能(AI)で分析すると、「国土強靱化(きょうじんか)」などの単語の出現が目立った。
口利き疑いの1月以降「国土強靱化」強調
「グループ補助(金・事業)」の出現頻度は全ての県議会定例会、臨時会、各種委員会を対象とし、委員長としての発言を除外して調べた。仁田容疑者は2012年7月の保健福祉常任委を皮切りに21年9月の環境福祉常任委まで44回の会議で計104回言及した。
年別では12年10回、13年22回、14年6回、15年3回、16年16回、17年2回、18年15回、19年5回、20年17回、21年8回だった。主な発言内容は次の通り。
「グループ補助金も宮城県が窓口になって中小企業庁が出しているけれども、結構審査が厳しくて何度もはじかれています」(18年4月・環境生活農林水産常任委)「例えば、グループ補助金。知事の言っている創造的復興で、県が全部却下している部分もあり、グループ化できないとか、ほとんど進んでいないんだよ」(16年1月・大震災復興調査特別委)
一方、仁田容疑者が今年1月以降、県議会で発言した内容約4万5000字については、特徴的な言葉を大きく表示する「ワードクラウド」の手法で分析を試みた。データ分析を手がけるユーザーローカル(東京)のテキスト分析ツール「AIテキストマイニング」を利用した。
最も多かった単語は「予算」で119回。建設企業常任委所属とあって「国土強靱化」「港湾」「仙台港」など土木、港湾関連への言及が目立った。「補助事業」は12回で、「どうですか、部長」などと繰り返し答弁を迫る場面も複数あった。対象期間中に「グループ補助(金・事業)」は出てこなかった。


[グループ補助金]地震や津波などで被災した中小企業を対象に、施設や設備の復旧費用を補助する制度。地域の復興に役立つことが条件で、2社以上のグループ単位で認定する。東日本大震災をきっかけに2011年度に創設された。
企業グループが復興に向けて共同で取り組む事業計画を作成。県の認定を受けた後、補助金を希望する参加企業は個別に申請する必要がある。国と県が最大で4分の3を補助する。
宮城県内では東日本大震災と19年の台風19号、21年の福島県沖地震、22年3月に宮城、福島両県で震度6強を観測した地震がグループ補助金の対象となった。今回の事件で焦点となった補助金は、21年の福島県沖地震で被災した中小企業などを対象としている。
仁田和広容疑者 過去の県議選結果
仁田和広容疑者は1991年、宮城県議選多賀城・七ケ浜選挙区(定数2)で初当選した。2期目途中の96年、衆院選宮城4区に旧新進党公認で立候補し、落選。99年、県議に返り咲き、現在8期目。これまでの選挙結果は以下の通り。
▽1991年4月 県議選(多賀城・七ケ浜)
当 14,473 仁田 和広 自新
当 11,166 安住仁太郎 自現
   4,426 吉田 瑞生 社新
   2,751 山田 弘次 無元
▽1995年4月 県議選(多賀城・七ケ浜)
当 15,198 仁田 和広 自現
当  9,110 菊地健次郎 無新
   7,948 竹谷 英昭 無新
▽1996年10月 衆院選宮城4区
当 75,196 伊藤宗一郎 自前
  59,436 仁田 和広 進新
  18,813 菅原 国夫 共新
  14,887 佐藤 芳博 社新
▽1999年4月 県議選(多賀城・七ケ浜)
当 12,692 仁田 和広 無元
当 10,038 菊地健次郎 自現
   8,396 安住 政之 自現
   4,014 斉藤 規夫 共新
▽2003年4月 県議選(多賀城・七ケ浜)
当 11,188 仁田 和広 無現
当  9,149 菊地健次郎 自現
   8,984 安住 政之 自元
   3,623 斉藤 規夫 共新
▽2007年4月 県議選(多賀城・七ケ浜)
当 12,138 仁田 和広 自現
当 10,275 寺沢 正志 自新
   6,403 小林 立雄 共新
▽2011年11月 県議選(多賀城・七ケ浜)=無投票
当        寺沢 正志 自現
当        仁田 和広 自現
▽2015年10月 県議選(多賀城・七ケ浜)
当  9,812 深谷 晃祐 無新
当  6,255 仁田 和広 自現
   5,710 寺沢 正志 自現
   4,778 戸津川 永 共新
▽2019年10月 県議選(多賀城・七ケ浜)
当 10,968 深谷 晃祐 自現
当  6,761 仁田 和広 自現
   6,327 藤原 益栄 共新

2022年09月30日 河北新報
[あっせん利得の仁田容疑者、補助金継続へ「省庁詣で」 政務活動費で頻繁に上京]
被災企業支援のグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反容疑で、逮捕された自民党宮城県議仁田和広容疑者(72)=宮城県七ケ浜町吉田浜=が同補助金の継続や拡充に向け、政務活動費を使って中央省庁に要望活動を行っていたことが29日、分かった。仁田容疑者が県議会に報告した文書によると、2017~21年度の5年間で少なくとも省庁幹部と68回、国会議員とも18回面会した。
県警もこうした事情を把握。仁田容疑者が国と地元とのパイプ役として「省庁詣で」を繰り返し、被災企業などへの影響力を強めたことも事件の背景にあるとみて詳しい経緯を調べる。
省庁幹部と新年に会食も
同補助金に関する政務活動の内訳は表の通り。面会は18年度の33回が最も多く、新型コロナウイルス下の20年度が25回、21年度が13回と続いた。
省庁幹部や国会議員との面会場所は東京・霞が関や衆参両院議員会館で、目的は「事業の延長と拡充について要望」「問題点を協議し解決策を探る」などと記載。省庁幹部と新年に会食した例もあった。省庁や幹部、国会議員の具体名は記されていなかった。
18年には塩釜市で加工会社役員と事業の問題点を協議し解決策を練ったほか、仙台市青葉区の県議会庁舎で同補助金を申請した企業幹部や県幹部と協議したとの記述もある。
「2、3年は延ばさないと」
仁田容疑者は21年2月の県議会自然災害対策調査特別委員会で、県担当者らを前に「補助金が採択されない企業や自らの金が用意できない企業がいっぱいある。2、3年は延ばさないと事業完遂にはならない」と強調。「震災などで疲弊した人を助けたいというのが国の方針。はっきり言うと、中小企業庁と農林水産省の考え方だ」と言及した。
同補助金は東日本大震災を契機に創設された。県内では19年の台風19号、21、22年の福島県沖地震でも適用された。逮捕された会社役員の男(61)=塩釜市=が社長を務める水産加工会社は13年1月~19年12月に震災で計4件、総額約8億円の交付決定を受けた。
仁田容疑者の逮捕容疑は、会社役員から同補助金を受けられるよう口利きを依頼され、県議会庁舎で今年1月上旬、審査担当の県職員に「本会議で問題にする」などと県議の影響力を使って交付を働きかけ、同月中旬に報酬として現金50万円を受け取った疑い。会社役員は報酬を支払った疑い。

2022年09月30日 河北新報
[過大な補助申請に宮城県が難色 役員の男、事態打開へ仁田容疑者に口利き依頼か]
被災企業支援のグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反事件で、逮捕された会社役員の男(61)=宮城県塩釜市=が経営する水産加工会社の補助金申請額を宮城県が過大と判断していたことが29日、分かった。県警は事態打開を図るために自民党県議仁田和広容疑者(72)=宮城県七ケ浜町吉田浜=に口利きを依頼した可能性もあるとみて、経緯などを調べている。
申請額は十数億円にも
会社役員が経営する水産加工会社を含むグループ5社の事業計画は認定を受けていたものの、結果的に同社の補助金申請だけは受理されなかった。
関係者によると、会社役員の男が申請しようとした額は十数億円に上っていたといい、同業者から「あり得ない」という声が上がっていた。県関係者によると、県の現場調査でも申請額に見合った被害は確認されなかった。
今回のグループ補助金は昨年2月に宮城、福島両県で最大震度6強を観測した地震で被災した中小企業が対象。県によると、役員が経営する水産加工会社は他の5社とグループを組み、同7月に事業計画の認定を受けた。その後、各社が宮城県側に補助金を申請する手続きに入ったが、役員経営の会社の申請だけが最後の交付先決定となった今年1月下旬までに受理されなかった。
仁田容疑者の逮捕容疑は、会社役員の男からグループ補助金を申請する金額で交付決定が受けられるよう口利きを依頼され、議会庁舎で1月上旬、審査担当の県職員に「本会議で問題にする」などと県議の影響力を使って交付を働きかけ、同月中旬に報酬として現金50万円を受け取った疑い。会社役員の男は報酬を支払った疑い。県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。

2022年09月29日 河北新報
[宮城県議 仁田和広容疑者(72)逮捕 補助金 口きき一因か]
被災企業支援のグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反事件で、逮捕された会社役員の男(61)=宮城県塩釜市=の水産加工会社だけが、6社でつくるグループのうち唯一、交付決定を受けていなかったことが28日、分かった。宮城県警捜査2課は、補助金交付の停滞が自民党県議仁田和広容疑者(72)=宮城県七ケ浜町吉田浜=に口利きを依頼した一因とみて、経緯を調べている。
対象となったグループ補助金は昨年2月に宮城、福島両県で最大震度6強を観測した地震で被災した中小企業支援が目的。宮城県によると、会社役員が経営する水産加工会社(塩釜市)は、他の5社とグループを組み、昨年7月に事業計画の認定を受けた。5社は補助金交付が決まったが、役員の会社のみ未交付だった。
昨年の地震のグループ補助金は、最後の交付先決定が今年1月下旬。県警によると、仁田容疑者の県職員に対する働きかけと報酬受領は1月上旬から中旬にかけてとされる。会社役員は交付決定の遅れに焦って口利きを依頼した可能性もあり、県警は慎重に捜査している。
仁田容疑者の逮捕容疑は、会社役員からグループ補助金を受けられるよう口利きを依頼され、議会庁舎で1月上旬、審査担当の県職員に「本会議で問題にする」などと県議の影響力を使って交付を働きかけ、同月中旬に報酬として現金50万円を受け取った疑い。役員は報酬を支払った疑い。
県は未交付理由を明らかにしていない。グループ補助金は、同じ地域や業種の企業など複数の事業者でつくるグループが復興事業計画を県に提出し、計画が認定された後に各事業者が補助金を申請し、県の審査を経て交付される。昨年の地震のグループ補助金では27グループ202社が計画の認定を受け、約57%が交付決定を受けた。

2022年09月28日 河北新報
[宮城県議 仁田和広容疑者(72)逮捕 あっせん利得容疑]
ともに東日本大震災の沿岸被災地が地元で、国政にも挑んだ宮城県議会の重鎮と水産会社の役員。2人が災害復興の補助金申請に絡み、あっせん利得処罰法違反容疑で逮捕された。事件の知らせを受けた地元の熱心な支持者は嘆き、水産関係者は業界への影響を心配した。
「申し訳ない」。27日夕、県議仁田和広容疑者(72)=宮城県七ケ浜町吉田浜=の親族から、後援会関係者に謝罪の電話が入った。
20年以上支援してきた多賀城市の70代女性は「政治家として曲がったことはしない人だと信じてきた。こんなに悔しい話はない」と涙ぐんだ。
同じ頃、県警捜査員10人が県議会庁舎に家宅捜索に入り、仁田容疑者が所属する会派の控室などから書類を押収。27日夜には仁田容疑者の自宅前に報道各社が詰めかけた。
仁田容疑者は1991年に初当選。96年には衆院選宮城4区で当時の新進党公認で立候補し、落選した。県議に返り咲いて当選8回を重ねる。七ケ浜町の70代の無職男性は「当選を重ねていくうち、心が緩んでしまったのだろうか。後継者とみられていた親族がかわいそうだ」と残念がった。
水産会社には27日午前、役員の男の親族から「出社できない」と連絡があったという。同社社員は「現時点で誰も詳細が分からず、コメントのしようがない。何も聞かされておらず、びっくりしている」と話した。
[宮城県議会、衝撃広がる 仁田県議逮捕 県庁動揺、情報収集に奔走]
昨年2月の福島県沖地震で被災した中小企業を支援するグループ補助金を巡るあっせん利得処罰法違反事件で、現職宮城県議の仁田和広容疑者(72)が27日、逮捕された。9月定例会開会中の県議会には衝撃が広がり、県議の権限を利用して業者から金銭を授受した容疑を批判する声が上がった。
仁田容疑者が籍を置く県議会最大会派自民党・県民会議の佐々木幸士会長は27日夕、報道陣の取材に応じ「事件の一報に大変驚いている。所属議員の逮捕は誠に遺憾で、心より深くおわび申し上げる」と謝罪。「事実関係が明らかになり次第、厳正に対処したい」と述べた。
仁田容疑者は1991年4月の県議選多賀城・七ケ浜選挙区に自民公認で立候補して初当選。2期目途中で辞職し、96年10月の衆院選宮城4区に旧新進党から立候補して落選した。99年4月の県議選で再選され、現在8期目。
同会派所属の県議によると、県の土木・港湾行政に熱心に取り組み、性格は「わが道を行くタイプ」。県議会本会議では原稿を携えず一般質問に臨むなど、ベテランらしい一面ものぞかせていた。
第2会派みやぎ県民の声の石田一也氏は「1期目の私に議会での振る舞いを教えてくれたり、『いい質問だった』と褒めてくれたりした」と驚きを隠せない様子。共産党県議団の金田基氏は「県民の相談を県の担当課につなぐのは普通の議員活動。それを超えて、お金をもらったのが事実だとすればあってはならないことだ」と強調した。
グループ補助金で被災事業者を支援してきた県庁内にも動揺が走り、職員は情報収集に追われた。県幹部は「最近は官公庁での政治への忖度(そんたく)が問題視され、行政機関内部でも違法・不正行為を通報する仕組みが整いつつある」と困惑する。
村井嘉浩知事も談話を発表。詳細を把握していないとしつつ、被災事業者支援の補助金である点を踏まえ、「県民や復興に向けて必死に頑張っておられる事業者を裏切る行為。議員自らが実態の解明に向けて説明責任を果たしていただきたい」と指摘した。


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