カツオ窃盗事件裁判 水産加工会社元社長“報酬ではなく代金”
焼津漁港で冷凍のカツオを盗んだ罪に問われている焼津漁業協同組合の元職員や水産加工会社の元社長などの裁判で被告人質問が行われ、元社長は漁協の元職員に金を渡していたことについて、「報酬という認識はなく、盗品のカツオを購入した代金だと考えていた」と主張しました。
焼津漁業協同組合の元外港売場係長の吉田稔被告(40)や、焼津市にある水産加工会社の元社長、進藤一男被告(61)ら5人は、おととし8月から去年4月までの間、焼津漁港で水揚げされた冷凍のカツオを盗んだとして窃盗の罪に問われています。
裁判では、5人のうち吉田元係長など4人が起訴された内容を認めた一方、進藤元社長は「盗品を購入したが窃盗は共謀していない」などと起訴された内容を否認しています。
20日午前に静岡地方裁判所で開かれた裁判で被告人質問が行われ、吉田元係長は「元社長からカツオの荷抜きを持ちかけられた。会社から月に1回程度まとめて金をもらい、報酬として一部を受け取ったほか運転手らにも渡していた」と述べました。
一方、進藤元社長は元係長への支払いについて、「報酬という認識はなく、盗品のカツオを購入した代金だと考えていた。漁協側が勝手にカツオを冷凍倉庫に入れてくるので、回数を減らすために支払いを遅らせていた」と主張しました。
裁判は次回、検察による論告や弁護側の最終弁論が開かれ、審理が終わる見通しです。
一方、20日午後には、元社長らと共謀しておととし8月にカツオを盗んだ罪に問われている焼津漁協の職員、青野友成被告(32)の初公判も開かれ、被告は起訴された内容を認めました。
検察は「トラックにカツオをみずから積み込むなど、事件で重要な役割を担っていた」と主張して懲役1年6か月を求刑したのに対し、弁護側は「従属的な立場だった」と反論し執行猶予の付いた判決を求めました。
判決は9月12日に言い渡されます。
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