花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

いかなごのくぎ煮 水煙236号(2003年2月)

2008年10月26日 | Weblog
冬尽くやガラスのビルに空が満つ
みなどこかへ帰り着くなり鳥曇
ものの芽やみなそれぞれの色を持ち
囀りや朝の天地を広くして
煙の香どこかで畑を焼いている
いかなごのくぎ煮や瀬戸の春を知る
見渡せばいのちに煙る春の森

縄跳び 水煙235号(2003年1月)

2008年10月26日 | Weblog
<高知にて>
大晦日龍馬生まれし場所に立つ

初暦雪の穂高に始まりぬ
寒晴れへぐるりとジェットコースター
大寒の夜のウインナを熱く茹で
憧れのとどくところに冬の虹
縄跳びの縄軽やかに回りけり
粉雪と日差しが交互にやってくる