《韓国公安当局、北朝鮮のスパイ組織・旺載山のメンバー5人を逮捕》
北朝鮮の朝鮮労働党対外連絡部の後身にあたる第225局の指令を受け、10年余りにわたり暗躍して来たスパイ組織・旺載山の活動実態が続々と明らかになっている。
旺載山は仁川市で下部地方自治体の首長10人(区庁長8人、郡守2人)のうち3人に接近する等、韓国国内に根を張って活動していた。
■1980年代の左翼運動出身者が中心
韓国公安当局によると、セキュリティー会社J社の代表・K容疑者が責任者を務める地下組織・旺載山は「韓国社会に地下組織を構築せよ」という朝鮮労働党の指令を受け、1980年代に「民族解放(NL)」系列の左翼運動に加わった政界・労働界・学界の人物を活動家として確保、組織を拡大した。
逮捕されたK容疑者たち5人は1980年代初めから半ばに大学に通ったNL系列の活動家で、組織員が指令を伝達し合う際に「旺載山より」という文言を用い、「南朝鮮革命」を追求して北朝鮮に忠誠を誓っていたとされる。
旺載山は北朝鮮の故・金日成(キム・イルソン)主席が1933年、抗日武装闘争の拡大戦略を指示したとされる咸鏡北道穏城の山の名前だ。問題の地下組織は北朝鮮が聖地とする地名を冠し、韓国の軍事機密や政治・社会情勢等に関する情報を収集して北朝鮮に報告していた。また、中国や日本にいる工作員を通じて北朝鮮に報告することもあったという。
韓国公安当局関係者は
「総責任者のK容疑者は1994年以降、日本に38回、中国に18回の海外渡航歴があり、北朝鮮の工作員に10回以上会っていた。逮捕された5人は少なくとも1回以上、海外で北朝鮮の工作員と接触した」
と説明した。
総責任者のK容疑者は1990年初めに北朝鮮と関係を結んだあと、1994年から本格的に暗躍し始めた。また、K容疑者は自身が経営するJ社の共同代表I氏を通じてソウル・仁川地域の労働界や政界関係者を管理していた。
韓国公安当局関係者は
「I氏が接触した人物には民主党や民主労働党所属の区庁長3人も含まれており、確認を進めている」
と述べた。
さらに、K容疑者たちは首都圏のインターネット放送局を買収して組織活動に利用することも計画していた。
旺載山のソウル地域責任者L容疑者(逮捕済み)は2000年頃、K容疑者に捕捉された。L容疑者は林采正(イム・チェジョン)元国会議長の政務秘書官や民主党対外協力部委員長を経て、2008年の総選挙で民主党に公認申請を行なったが認められなかった。
■月刊誌『民族21』も捜査
韓国公安当局は今年6月、月刊誌『民族21』の編集主幹A氏(43歳)とその父親(78歳)、編集局長J氏の自宅や事務所等を家宅捜索して任意で取り調べた。
1979年に南朝鮮民族解放戦線準備委員会が摘発された「南民戦事件」で服役した編集主幹の父親は、1994年にも「救国前衛事件」で息子とともに逮捕された前歴がある。
『民族21』は2001年3月に創刊された。これまでに125号を発行しており、発行人は仏教宗派の曹渓宗民族共同体推進本部長の明尽(ミョンジン)和尚が務めている。
捜査関係者は
「一部の北朝鮮追随勢力が『民族21』を広報手段として悪用しようとしたと見られる」
と述べた。当局は旺載山の宣伝責任者を務めたY容疑者(逮捕済み)が『民族21』の監事を務めていたことをつかんでおり、組織連携があったかどうかを細かく調べている。
韓国公安当局はこれまでに関係者20人余りを取り調べたが、全員が黙秘権を行使したという。
捜査関係者は
「関係者は約束(口裏合わせ)でもしたかのように、身元はもちろんあらゆる質問に黙秘権を行使しており、調書を作成することも出来ないほどだ」
と語った。
このため当局は別の方法で身元を確認し、関係者の活動内容が記された物証を裁判所に提示の上で逮捕状や捜索令状を取得した。
【NL】
ナショナル・リベレーションのこと。
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
(脱北者Aさん。脱北者の手記集より)
北朝鮮の朝鮮労働党対外連絡部の後身にあたる第225局の指令を受け、10年余りにわたり暗躍して来たスパイ組織・旺載山の活動実態が続々と明らかになっている。
旺載山は仁川市で下部地方自治体の首長10人(区庁長8人、郡守2人)のうち3人に接近する等、韓国国内に根を張って活動していた。
■1980年代の左翼運動出身者が中心
韓国公安当局によると、セキュリティー会社J社の代表・K容疑者が責任者を務める地下組織・旺載山は「韓国社会に地下組織を構築せよ」という朝鮮労働党の指令を受け、1980年代に「民族解放(NL)」系列の左翼運動に加わった政界・労働界・学界の人物を活動家として確保、組織を拡大した。
逮捕されたK容疑者たち5人は1980年代初めから半ばに大学に通ったNL系列の活動家で、組織員が指令を伝達し合う際に「旺載山より」という文言を用い、「南朝鮮革命」を追求して北朝鮮に忠誠を誓っていたとされる。
旺載山は北朝鮮の故・金日成(キム・イルソン)主席が1933年、抗日武装闘争の拡大戦略を指示したとされる咸鏡北道穏城の山の名前だ。問題の地下組織は北朝鮮が聖地とする地名を冠し、韓国の軍事機密や政治・社会情勢等に関する情報を収集して北朝鮮に報告していた。また、中国や日本にいる工作員を通じて北朝鮮に報告することもあったという。
韓国公安当局関係者は
「総責任者のK容疑者は1994年以降、日本に38回、中国に18回の海外渡航歴があり、北朝鮮の工作員に10回以上会っていた。逮捕された5人は少なくとも1回以上、海外で北朝鮮の工作員と接触した」
と説明した。
総責任者のK容疑者は1990年初めに北朝鮮と関係を結んだあと、1994年から本格的に暗躍し始めた。また、K容疑者は自身が経営するJ社の共同代表I氏を通じてソウル・仁川地域の労働界や政界関係者を管理していた。
韓国公安当局関係者は
「I氏が接触した人物には民主党や民主労働党所属の区庁長3人も含まれており、確認を進めている」
と述べた。
さらに、K容疑者たちは首都圏のインターネット放送局を買収して組織活動に利用することも計画していた。
旺載山のソウル地域責任者L容疑者(逮捕済み)は2000年頃、K容疑者に捕捉された。L容疑者は林采正(イム・チェジョン)元国会議長の政務秘書官や民主党対外協力部委員長を経て、2008年の総選挙で民主党に公認申請を行なったが認められなかった。
■月刊誌『民族21』も捜査
韓国公安当局は今年6月、月刊誌『民族21』の編集主幹A氏(43歳)とその父親(78歳)、編集局長J氏の自宅や事務所等を家宅捜索して任意で取り調べた。
1979年に南朝鮮民族解放戦線準備委員会が摘発された「南民戦事件」で服役した編集主幹の父親は、1994年にも「救国前衛事件」で息子とともに逮捕された前歴がある。
『民族21』は2001年3月に創刊された。これまでに125号を発行しており、発行人は仏教宗派の曹渓宗民族共同体推進本部長の明尽(ミョンジン)和尚が務めている。
捜査関係者は
「一部の北朝鮮追随勢力が『民族21』を広報手段として悪用しようとしたと見られる」
と述べた。当局は旺載山の宣伝責任者を務めたY容疑者(逮捕済み)が『民族21』の監事を務めていたことをつかんでおり、組織連携があったかどうかを細かく調べている。
韓国公安当局はこれまでに関係者20人余りを取り調べたが、全員が黙秘権を行使したという。
捜査関係者は
「関係者は約束(口裏合わせ)でもしたかのように、身元はもちろんあらゆる質問に黙秘権を行使しており、調書を作成することも出来ないほどだ」
と語った。
このため当局は別の方法で身元を確認し、関係者の活動内容が記された物証を裁判所に提示の上で逮捕状や捜索令状を取得した。
【NL】
ナショナル・リベレーションのこと。
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
(脱北者Aさん。脱北者の手記集より)