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社会人大学院で学ぶ技術経営

社会人大学院で技術経営を学びながら日々の気づきを書きとめてみます.

経営戦略とMOT(三品和弘著「経営戦略を問いなおす」)

2007年03月17日 | 技術経営
三品和弘著「経営戦略を問いなおす」では,「経営戦略がアナリシスの発想と相容れないのは,その真髄がシンセシス(統合)にあるからです(61ページ)」と述べている.

ここでアナリシスとはSWOT分析やPPMマトリックスを使った分析を示している.一般的には,経営コンサルタントがこれらの道具を使って行っている(MBA的な)アナリシスこそが経営戦略の本質であるというイメージがあるが,本書では経営戦略は(シンセシスをできる1人の)人に宿ると言い切っている.

筆者は,MBAのアプローチを「現在あるものを分析(アナリシス)して悪いところを切り捨て価値のある部分だけを残す」,MOTのアプローチを「ゼロから価値を生み出すものを作り出す(シンセシス,イノベーションもその1つ)」と捉えているが,三品先生が定義するように「戦略とは,新たな市場取引を創造し,それによって人々の幸福を増進させるもの(18ページ)」とすれば,経営戦略を問い直すとそこにMOTのあるべき姿も見えてくるように思う.