MVP
大谷翔平選手がMLBナショナルリーグの最高殊勲選手に選ばれた。なんともめでたい。日本中が大騒ぎしている。
高額の契約金によるドジャースへの移籍、ナショナルリーグでの新たな相手との対戦、頼りにしていた通訳の不祥事、フアンの期待等々、彼にかかるプレッシャーは凄まじいものではと心配していたが、杞憂であった。
わが翔君はこのプレッシャーを糧としたように、次々と記録を塗り替え、念願のワールドシリーズ優勝に寄与し、MVPの栄冠を勝ち取った。まさに「異次元」の選手である。
シーズン中一番緊張したのが、デコピンの始球式だったというのは微笑ましい。
この稿を書きながら、ジャッキー・ロビンソンとハンク・アーロンのことを思い出していた。
ロビンソンは1947年に、メジャーリーグ初の黒人選手としてドジャースに登場し、迫害や差別に耐え、白人至上主義の大リーグに、有色プレーヤー活躍の道を切り拓いた。
同じく黒人プレーヤーのアーロンは、ベーブ・ルースのホームラン記録を塗り替えた時に、殺害を示唆するような脅迫を受けたが、淡々として新記録を打ち立てたという。
現在MLBには13人の日本人および日系人選手が所属している。彼らが球場に登場しても、だれも皮膚の色でヤジを飛ばさない。翔君が前人未踏の記録を打ち立てても、脅迫に脅かされることはない。
ロビンソンやアーロンが切り拓いた地平に、翔君はじめ日本人選手が豊かな稔りをもたらしているのだ。
来季の二刀流復活を翔君は期待されている。今年以上の活躍を求められて、さらに大きなプレッシャーがかけられるだろう。
負けるな大谷翔平君!
「AERA」 No. 54から
STOP WAR!
日本人には考えられない「異次元」の選手、来季の活躍を期待しています。