羽花山人日記

徒然なるままに

ペシャワール会

2022-07-04 20:46:10 | 日記

ペシャワール会

近着のAERAの『現代の肖像』欄に,ペシャワール会PMS(Peace (Japan) Medical Services)支援室長の藤田千代子さん(63)が紹介されていた。ペシャワール会は,アフガニスタン現地で医療・農業活動を展開しているPMSの支援団体である。

藤田さんは,家の事情で大学進学をあきらめ,看護師になる。マザー・テレサの映画を見て感銘を受け,いつかそのような仕事をしたいと思っていたところ,中村哲さんのことを知って,家族の反対を説き伏せ,ペシャワール会の活動に参加する。

藤田さんは,2019年12月に凶弾に倒れた中村哲さんの片腕として,1990年にペシャワール会のハンセン病診療に参加して以来,2008年に治安悪化による中村さん以外の日本人スタッフが総引き揚げで帰国するまで,現地で活動してきた。男性には肌を見せないプルカに包まれた女性患者の診断には欠かせない存在だったという。また,中村さんとスタッフの間の緩衝役としても重要な役割も果たして来た。

現在,藤田さんは中村さんの遺志を継いで,現地語の分かるスタッフとして,現地とのコミュニケーションには欠かせない存在であり,タリバンが政権をとって以来,銀行送金ができなくなり(現在は可能),PMSへの送金のために現金をもって海外に行き,出稼ぎ労働者の送金を利用して,現地の活動を支える役目も果たしている。

インタビュー記事の中にあった興味深い話を以下に紹介する。

アフガニスタンの家庭の90% がかかあ天下だそうである。タリバンによって女性の権利が侵害されていることが国際的に批判されているが,この家庭内女権については,どう考えるべきなのだろう。

PMSはその活動中に6回の政変があった。基本的にどの政権であろうとも,その枠内で活動している。最近タリバンの幹部が水利工事の現場を見学して絶賛し,協力を表明したとのことである。

PMSは,日本からの送金が困難な状況下で,ペシャワール会とのネット上の討論を通じて,現地スタッフは無給でもプロジェクトを継続することを決定し,今春堰の工事と1万8千人分の食糧支援を成し遂げたという。(この模様はペシャワール会のホームページで見ることができる。)

中村哲さんの遺志はペシャワール会とアフガニスタン現地の人々に受け継がれ,根付いているのだ。

ロシアのウクライナ侵攻で,世界の目はアフガニスタンから離れがちである。世界的な干ばつに最近起きた大地震が重なり,アフガニスタンの人々は大きな危機に直面している。施政者たちの思惑を越えて,藤田さん達の活動が,こうした危機を食い破っていく人民と人民との太いつながりを作っていくことを期待し,応援する。

 

知らぬが仏

KDDIの通信障害について,わたしはカミさんとよそ事として話をしていた。ところが今朝,携帯で電話をかけようとしたら,画面に接続不能の文字が現れ,自分のスマホがauの回線を使っていることに気づいた。被害者だったのである。スマホに縛られていないと自慢すべきなのか,そんな世界からは見放されていたと嘆くべきなのか。とにかく知らぬが仏であった。

 

STOP WAR!

コメント (3)
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