和歌と俳句
わたしは毎週の朝日歌壇と俳壇を読んでいる。
読んでいて気がついたことだが,時局を扱った作品は断然和歌の方が多い。昨日の例だと,歌壇は入選40首のうち,ロシアのウクライナ侵攻に関わる歌が28首,実に7割を占めている。それに対して,俳壇の方は40句中の4句で,1割に過ぎない。
これは何故だろう。
選者の嗜好性もあるかもしれない。例えば昨日の歌壇の選者の一人は選んだ10首が全てウクライナに関わるもので,自分の思いがそうしたと告白ている。
しかし,別な選者が,ウクライナ侵攻にかかわる歌が今週も多かったといっているところを見れば,これは和歌と俳句の本質的な相違によるものではないだろうか。
わたしには,俳句や和歌に傾ける蘊蓄がないので,想像するだけだが,字数の多い和歌の方が時局の感想を歌い込みやすいのか,それとも詠む心がけの違いが対象の違いとなるのか,興味深い。
反戦歌で有名なのは,与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」であるが,「人を殺して死ねよとて廿四までも育てしか」と,やはり当事者の歌として迫力がある。ウクライナのことを詠んだ歌に,他人ごとへの勝手な思いこみのようなものを感じることがあり,ちょっと首を傾げたくなる。
なお,昨日の俳壇で一番気に入ったのは,「にくきゅうのよろこんでいる春の土」(成田市 かとうゆみ様)。耕し均した土の上に時折見かける。
田 植 え
許可を得て撮影
この辺では一番早く始まった。恐らく,茨城県育成の「一番星」だろう。8月には早場米として収穫される。
STOP WAR!