はかせ社労士 ぼちぼちお仕事中!

社会保険や働き方にまつわる「よもやま話」をご紹介します。
(扱う法律の内容は概要です)

空白の5年(高年齢雇用確保措置)

2009-11-23 | よもやまばなし働き方
 お年寄りの年金、今は60歳からもらえる場合もありますが、
これからもらう方の多くは65歳から。
(国民年金法26条・厚生年金保険法42条

 定年退職、こちらは60歳を下回らないこと。
これもホウリツ(高齢者雇用安定法)で決まってます。

 となると「空白の5年」はいかに?

 「定年後の再雇用 地裁が請求棄却」(東京朝日(新潟) 2009年11月17日33面)

 ある会社の定年退職者が65歳まで雇い続けないのはホウリツ違反だ!
と訴えた裁判の結果です。
えっ、65歳?60歳のハナシ(8条)とは別の条文(9条)に定めがあるんです。

①定年の引上げ
②希望者に対する65歳までの雇用の継続
③定年の定めの廃止

 のいずれかを採用しなさいと。(高年齢雇用確保措置

 この会社では子会社へ転籍(ただし給料ダウン)して契約社員として働く、
という選択肢を準備しており、この子会社は同じ企業グループなので
自社で雇っているのと同じだ、と認定したそうです。

 外に放り出されて給料ダウンは納得いかなかったのでしょうが。
原告が昨年度定年退職していた点も判決に影響したのでしょう。
今年の3月末までは雇用継続措置は会社のルール(就業規則)で、
場合によっては一方的に決めることができたのです
(ただし中小企業は再来年の3月末まで

 現在は雇い人と勤め人が相談して
具体的な方法を決めなければならないことになっています。
労使協定が必要ということ)

 ちなみに今すぐ65歳まで確保する必要はありません
来年3月間末までは63歳、2013年の3月末までは64歳OK
これは65歳前に支払われる特別支給の厚生年金
支給開始年齢のタイミングにあわせています。
こうすることで勤め人の「空白の5年」を埋めようとしているわけですね。

 ちなみに支給開始年齢の引き上げ時期は、
女性の場合は男性と比べて5年遅れ
でも性別を問わないのは、男女雇用機会均等法
(性別を理由として定年について差別的取り扱いをしてはならない6条
があるからです。
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