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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



世界陸上2007・第2日第2部
(2007/8/26 大阪市長居陸上競技場)

女子7種競技の走幅跳びとやり投げから始まった大会2日目第2部(夜の部)は、早くも、世界陸上らしい盛り上がりをみせた。この日の観客の多くは、また世界陸上を生で見たいと思ったことだろう。この後のチケットの売れ行きは、ぐーんと良くなるのではないか。

この日は、夜8時過ぎの男子100m準決勝あたりから、場内の雰囲気が徐々に盛り上がってきた。残念ながら、日本の朝原は、この準決勝で敗退したが、惜しみない大きな拍手が送られた。

9時過ぎに天皇・皇后両陛下がお目見えになる。そのお二人の目の前で、まず女子7種競技の最終種目800mがおこなわれ、日本の中田有紀が健闘し、全種目を終えて優勝者のクリュフトが欧州最高得点を記録した。すると、ライバルたちが彼女のもとに集まり祝福する。そして、そのまま、7種競技参加者全員によるウィニングランが始まった。

女子の7種と男子の10種競技のもっとも魅力的なところは、全競技を終えた後の、互いに健闘をたたえあう場面だ。ライバル同士だったはずが、2日間の過酷な競技を終え、しかもその競技の合間も一緒に過ごすことによって、最高の仲間になる瞬間だ。オリンピックや世界陸上のような大きな大会でないと、なかなかお目にかかれない貴重な場面だ。

それが、ここ大阪では、女子7種競技全選手によるウィニングランになった。もちろん、観客席も大きな拍手で彼女らを迎え、称えた。観客が世界陸上の魅力にはまった瞬間だった。

その後、女子棒高跳びで、近藤高代が自己新記録の4m35cmをクリア(決勝へは進めなかった)し、男子400mハードルで成迫が決勝まで100分の1秒に迫る健闘を見せた。女子砲丸投げではニュージーランドのヴィリが大逆転優勝で場内を沸かす。女子棒高跳びの優勝候補、イシンバエワは予選ラインの4m55cmを一度で、楽々とクリアし、場内のため息を誘った。明らかにスタンドの雰囲気が変わり、観客の反応が大きくなっていた。

そして、クライマックスは男子100m決勝。最後の30mのタイソン・ゲイの伸びに場内は唖然とし、世界の凄さを目の当たりにした。そして、これが「世界」なのだということを知った。

世界陸上の第2日第2部。そこには、世界のトップアスリートの戦いを生で見ることによって味わうことのできる魅力がたっぷりとあった。そして、これからの長居陸上競技場は、慣れてきた観客と選手が一体となって、世界陸上ならではの、より魅力的な空間になっていくことだろう。スポーツファンなら、16年ぶりに日本で開催されている世界陸上を生で見ない手はない。

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