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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



全日本総合バスケットボール選手権大会・女子決勝
シャンソン化粧品 79対87 富士通
(2007/1/7 NHK教育)

準決勝のトヨタ戦では、なかなかシュートが決まらず、アシスト役に徹していた矢野良子とトヨタ戦でもいいつなぎ役を果たした6番目のプレーヤー今美春の2人の活躍で、富士通が大会2連覇を果たした。

第1Qは、シャンソンの厳しい守りにてこずっていた富士通だったが、第2Qに13点差をつけられたところで、大黒柱の矢野良子が本領を発揮し始めた。立て続けに3点シュートを2本決め、シャンソンに追いすがる。エースガードの船引かおりがファウルトラブルでベンチに下がるも、交代出場した今美春がチームの窮地を救った。結局、富士通がブザービーターで逆転をして前半を終えた。

船引姉妹がファウルを重ねたが、矢野良子が攻守に目覚め、今美春が自信を持ってプレーする富士通に対して、あきらかにシャンソンの勢いがなくなった。

第3Qは、WJBL最年長33歳、シャンソンの相澤優子が孤軍奮闘するも、富士通は、ゴールに向かう今美春のプレー(シュートとアシスト)と矢野良子の3点シュートで、最大15点差をつける。そして、第4Q。シャンソンに追いすがるだけの体力は残っていなかった。

決勝では、攻守両面で矢野良子のプレーが際立っていた。6本の3点シュートと永田を押さえ込んだ守備である。しかし、決勝のMVPは今美春にあげたい。富士通は6人で試合を乗り切らなくてはならない、まだまだ層の薄いチームである。その6番目の若手選手として、あまりある結果と存在感をしめしていたからだ。

一方のシャンソンのプレーには、チーム全体に疲労を感じた。富士通と比べて年齢が高いわけではないが、連戦の疲れはシャンソンのほうが大きいように見えた。第4Qのフロントコートからのプレスディフェンスもどこか弱々しかったし、ファウルを重ねた船引姉妹をファウルアウトさせるような仕掛けもなかった。

ベテランが引っ張ろうとしたシャンソン化粧品と若手が支えた富士通。若手の勢いが富士通に勝利を呼び込んだ決勝戦だった。

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