全国高校サッカー選手権大会
決勝:広島皆実 3対2 鹿児島城西
2009/1/12 東京・国立競技場
前半すばらしいサッカーを展開した広島皆実が、得点王、大迫(勇)を擁する鹿児島城西を破って、初優勝を飾った。
今大会のここまでの勝ち上がり方から見て、決勝戦は、鹿児島城西が攻め、広島皆実がそれを受ける展開になると予想していたが、むしろ逆の様相を呈した。
広島皆実は、序盤から、両サイドをパス、ドリブルで突破し、鋭いクロスからゴールを狙う。特に、前線の9番金島、10番谷本、11番玉田の鋭い動きは相手にとって脅威だった。また、最終ラインからトップへの、サイドからサイドへの長いパスも正確で、ダイナミックな攻撃をしかける基点になっていた。
守備でも、バランスのいいポジショニングと、鋭い出足でパスをインターセプトし、早いタイミングで、鹿児島城西のチャンスの芽をつんでしまう。2失点はしたものの、鹿児島城西の大迫(勇)がボールを持つと数人で囲み込んで、シュートを阻む。これまで、1試合平均5点以上(5試合で27得点)挙げてきた鹿児島城西を2点に抑えたのだから、堅守に間違いはなかった。
決勝までで、広島皆実の試合を見たのは1回戦の帝京戦だけだった。その試合と比べ、パスワークの精度、効果的なサイドチェンジの仕掛け、そして、局面局面でのパスとドリブルの選択が、数段上達しているように見えた。大会を通じて、自信を持ち、成長したのだろうか。(もちろん、帝京が強かったこともあるだろう。)
前半の広島皆実は、個々の高い技術とスピード、判断力がうまくかみあって、すばらしいサッカーを展開した。後半になると、運動量が減り、プレーの精度も落ちてしまい、鹿児島に追いつめられる場面が多くなったのが、残念だった。
しかし、広島皆実としての初優勝、そして、かつてサッカーどころと言われた広島に41年ぶりの優勝をもたらしたことは、なによりも称賛されるべきことである。
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