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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



<ロシアW杯雑感+ 2018/7/6>
ロシア大会では、多くのボランティア(以下、ボラ)になごませてもらい、助けられている。これまでのW杯や五輪と比べて、年配の方が少なく、圧倒的に若者が多い。駅、空港、街中のインフォメーションもいたるところにあり、多すぎるくらいだ。主要駅や空港では24時間対応している。大変だろうが、いい意味でリラックスしながら、海外からの観戦客との対話を楽しんでいるように見える。
今大会、ぼくは駅や空港に着くと、旅行案内所には向かわず、大会のインフォメーションブースに向かうことにしている。旅行案内所はだいたい混んでいるし、大会ブースの方でも十分だからだ。大会ブースでは、スタジアムやファンフェストの場所だけでなく、自分が泊まるホテルの場所やそこへの行き方まで聞いている。本来なら、ボラの範囲外の情報だが、心優しいロシア人若者ボラは、スマホを片手に、グーグルで検索し、道順や所要時間を教えてくれる。複雑な説明はグーグル翻訳の出番だ。若者にとっては、当たり前のスマホ・テクニックがボラの大きな武器となっている。
そして、ぼくら観戦客が必ず出会うのは、スタジアムやファンフェスト会場周辺での道案内ボラだ。でも、道案内よりも観戦客とハイタッチしたり、記念撮影をしたり、雰囲気づくりが主な仕事のようだ。なかには、自分のスマホから好きな音楽をハンドスピーカーで流している子や、場内のBGMに合わせてダンスをしまくっている子たちもいた。話しかければ、ちゃんと応対してくれるので、何も問題ない。こういう雰囲気づくりは、マニュアルで指示するようなものではないから、日本ではなかなか見かけない。
海外のイベントでボラにふれて感じるのは、肩ひじ張らないリラックスぶり。だから、こちらもいい加減な英語で助けを求めることをためらわずにすむ。これって、意外と大事なのではないか。
今、日本では来年のラグビーW杯のボラの募集が始まり、2020年東京五輪・パラのボラの募集要項が決まりつつある。多種多様なボラの活動があるが、観客たちと直接ふれあう際の大切なこととは何か。「コミュニケーション力」「対応力」といった言葉で片づけてしまうのは簡単だが、実際の現場は、そう簡単ではないだろう。それは、おそらく、ボラ自身よりも、ボラを採用し、使う側の想像力が実際に追いついていないと思うからだ。









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