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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



北海道日本ハムファイターズのSHINJOこと、新庄剛志が日本一になって、有終の美を飾った。現役引退である。日本シリーズで優勝したチームが、監督よりも先に選手を胴上げしているのを見たのは初めてだった。

8回裏の最終打席では、泣きながら豪快な三振。中日のキャッチャー・谷繁は、打席の新庄に対して、「泣くな! すべてストレートでいく!!」と言ったらしい。この時点で、この試合は、日本シリーズの優勝を決める試合ではなくて、新庄の引退試合になった。中日は、ただの脇役になってしまった。新庄の引き立て役になってしまった。この話を聞いたとき、そう思った。

MLBから日本球界に復帰して3年。札幌ドームを4万3000人で満員にするという約束を果たした。最後は、その満員の大観衆に見守られ、惜しまれつつ、しかし、さわやかにユニフォームを脱ぐ新庄の姿は、プロ野球ファンならず、多くの人々の記憶に刻まれるにちがいない。

新庄が、号泣しながらチームメイトひとりひとりと抱き合うシーンを見て、今年の夏に現役を引退した、もう1人のスーパースターの最後を思い出した。彼はチームメイトから離れ、ひとり泣いていた。そして、ほとんど何も語らずに、ぼくらの前から姿を消した。

スポーツ選手のさいごには、いろいろなかたちがある。2006年は、その両端を目の当たりにした年として、ぼくの記憶に残ることだろう。

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