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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



2007 F1日本GP
(2007/9/29-30 富士スピードウェイ)

実に16年ぶり、2回目となるF1観戦に行った。初めて行った前回は、1991年の鈴鹿サーキットで、中島悟の最後の年だった。今回の会場は、新装なった富士スピードウェイ(以下、FISCO)である。9月29日(土)、30日(日)の2日間。年下のサッカー仲間に連れて行ってもらった。

天気の方は、残念ながら、2日間とも雨。晴れていれば、ぼくらD席の正面に見えるはずの富士山は見えずじまい。合羽を重ね着して、雨を耐え忍びながらの観戦は、もちろん初めてである。

9月29日、土曜日の午前中のフリー走行は、雨と霧の影響で15分ほどで終了。このまま午後の予選も中止(=翌日に延期)になるかと思われた。しかし、午後の予選は、ネックとなっていた霧が奇跡的におさまり、どうにか予定通りおこなわれ、注目のルイス・ハミルトンが見事な逆転走行を見せてくれた。

30日、日曜日の本戦は、雨のためペースカーが先導してのローリングスタート。1.5kmのストレートの終わりから1コーナー、2コーナーを間近に見ることができたぼくらの席の前では、ペースカーが先導する周回のなかでの微妙な駆け引きが繰り返された。

その駆け引きも面白かったのだが、やはりレースの迫力にはかなわない。ペースカーがはずれてのスタート直後の1、2コーナーで早くもスピンするクルマあり。ストレートのブレーキのタイミングが遅いなと思ったクルマは、だいたいが1コーナーを曲がりきれず、ランオフエリアに飛び出す。レース途中からは、正規のコースと飛び出したコースの2つのラインが残るほどだった。

雨が降りしきる中の難しいレースを制したのは、ポールポジションから安定した走りをみせたハミルトンだった。初めてのコースで、ほぼ初めての雨中のレース、そして19周ものローリングスタートという初体験をも克服した。また、さまざまなトラブルがありながらも、見せ場をつくり、レースを盛り上げたフェラーリの2台にも感謝。

F1ドライバーたちは、FISCOでの初めての体験をどうにか切り抜けたが、30年ぶりという、事実上初めての開催となった運営サイドは、その重責を果たすことはできなかった。

レースはなんとか終わったが、結局、集まったファンをうまくさばくことができなかった。渋滞を解消するために採用された「チケット&ライド方式」が、雨の影響もあり、思い通りにいかなかった。観客がレースの開始に間に合わなかったり、帰りのバスに乗るまで、雨と泥のなかを4、5時間も待たされたりと散々な状況だった。

ぼくらはというと、車で沼津まで行き、沼津駐車場からシャトルバスを利用した。このコースは2日間とも、とてもスムーズだった。沼津駐車場-FISCO間は所要時間が約70分ともっとも長いバス区間だったが、2日間、2往復とも、かかったのは1時間ほど。帰りのバス待ちも1時間ほどで、状況を考えれば許せる範囲だった。

土、日曜日とも、帰りのシャトルバスに乗り込んで、バス待ちの無限に広がる大群衆を目の当たりにしたとき、自分たちの幸運を喜んだものである。すべての観客を公平に扱おうとした「チケット&ライド方式」が、結局、大きな運・不運の差を生んでしまったようだ。

30年ぶりの初めてを経験をしたFISCOだった。この苦い経験をベースに「世界のトヨタ」の名にかけて(FISCOの親会社はトヨタである)、大会運営にどんな「カイゼン」をみせてくれるのか。来年の話なのでちょっと気が早いが、レースとともに注目したいところだ。


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