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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



12月12日金曜日の夕方17時30分から、東京・代々木第一体育館で「東京オリンピック・パラリンピック 招致サポーター大集合!」と銘打たれたイベントが行われた。もちろん、2016年の夏季オリンピックとパラリンピックを東京に招致するための盛り上げイベントである。

来年2009年10月2日、デンマーク・コペンハーゲンでのIOC総会の投票で、2016年のオリンピックの開催地が決まる。それに向けて、来年4月には、IOCの調査委員が候補4都市を巡る。東京の弱点は「世論の盛り上がりに欠けること」と言われている。だから、招致委員会は、いろいろな広報イベントを行い、都民の心をつかもうとしている。その一つが、この「大集合!」だ。

しかし、なぜ、都民を鼓舞するためのイベントを、平日の17時30分から始めるのだろうか。誰が集合してくるのか。集合できるのか。聞けば、出演する石原都知事(招致委員会会長)が、残業や休日出勤をよしとしないかららしい。このイベントでも、冒頭にあいさつをし、北島康介選手と対談をして、18時にはしっかり退席していた。

だから、集まっていたのは、ほとんどが、都や区の職員らしき人々。要は、石原都知事の顔をつぶさないために、仕事を切り上げて、というか、仕事として参加しているわけだ。典型的な自作自演。だから、イベントの中身も、ただ「がんばろう!」という軽い合言葉の繰り返しで、何の意味も感じられないし、ちっとも面白くない。主催者は、何のために、こんなイベントを企画したのか。

ぼく自身は、オリンピックの招致には賛成であるし、2016年は東京に決まるのではないかと思っている。しかし、こんなイベントが繰り返されるのであれば、招致はやめたほうがいいのではないかと思いたくなる。


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