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不思議な事件簿 ~トリノの聖骸布(せいがいふ)~

2006-09-25 | 不思議な事件簿
イタリアの都市、トリノの聖ヨハネ大聖堂には歴史ある布が納められています。
キリスト教の教祖、イエス・キリストがゴルゴダの丘で処刑されたとき、彼の遺体を包んだ布だというのです。
縦4.36m、横1.1mと大きな布です。

聖骸布は以前から存在は知られていたのに、長い間、歴史の表舞台にはでることがありませんでした。
この布が公になったのは、1350年のことです。
フランスの貴族が所有しているところを発見されました。

なぜ、この布が聖骸布とわかったのか?
それは聖骸布に浮かび上がった人物像によります。
聖骸布には、なんとキリストその人が浮かび上がっているのです!

これがその写真です。



真ん中に浮かび上がっている人物は紛れもなく、聖者イエス・キリストだということです。
キリストは、死後、復活のときに身体が強烈に輝きだしたといわれています。
この輝きにより、まるで写真のようにキリストの姿が布に焼きついたというのです。

さて、この人物がキリストである理由として、
・貼り付けにされたときの手足の傷が残っている。
・顔面を殴られた跡が残っている。
・処刑場につくまで何度も転んだため、キリストはひざに怪我をしたが、その傷が残っている。

などといった点が上げられています。
僕には傷がどこについているかわからないですが、信仰心が足りないせいでしょうか?

とにかく、この布はキリストを包んでいた布だとされています。
フランスで保管されている間に、火災にあい一部が焦げてしまった(縦に走っている2本の線は焦げ後)ようですが、丁寧に修復されました。
その後、イタリアに移され、何年かおきに公開されています。
一番最近は2000年に公開され、次は2025年に公開予定です。

さてさて、この聖骸布ですが、やはり偽者説が絶えません。
そこで、何人もの科学者が聖骸布の真意を解こうと試みてきました。
その中で、聖骸布の素材を放射性炭素測定法で測定した結果、中世のものである可能性がでてきました。
ただし、この測定結果は、火事で焼けた部分を修復した布を測定していた可能性もあるため、疑問視している人が多いのも事実です。

また、聖骸布が偽者だとしても、聖骸布の作り方を完全に解明した人は今のところいません。
聖骸布を偽者であると断定するには同じ物が作り出せることが重要となってきます。
ところが、現在出ている説ではどれも完全に聖骸布と同じ物を作るまでにはいたっていません。
このことから、本物である可能性も否定できないのです。

現在のところ、この布が本物か偽者か、決定的な証拠は出ていません。
ですが、信仰心の前には本物かどうかなんて無意味なことかもしれませんね。


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