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ES細胞疑惑に決着

2006-01-10 | 生物の話
以前から問題になっていたES細胞の調査が終了しました。

結論だけ言うと
「ES細胞を作り出したなんて全部嘘」
だそうです。

今回の騒動、何が問題かを簡単にまとめながら話をしましょう。

まず、ES細胞って何?と言う方はこちらを見てください。
嘘かよ!ES細胞培養成功・・・

ことの始まりはソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授らが、ES細胞をヒトクローン胚から作り出したと発表したことからでした。
何でそんなに騒がれたかと言うと、欲しい部分の組織や臓器を作り出せるからです。
この辺も上記のリンクを参照に・・・
この技術が確立すると臓器移植待ちの患者さんたちに明るい未来が見えるはずでした。

しかし、共同で研究を行なっていた研究者から「おかしい」との指摘があり、ソウル大学が調査しました。
すると、作成したとされていた全てのES細胞が存在しませんでした。
どうやら黄教授の研究グループにはES細胞を培養する技術はなかったようです。

世界をだました黄教授の「嘘」はあらゆるところに影響しています。
まずは黄教授に対する失望・・・
一般の人の研究者に対する不信感・・・
そして、何より「生き長らえたい」と感じている重病患者さんの絶望・・・

これだけのことをしでかした黄教授は償いをすべきだと思います。
もちろん、黄教授以外のグループもES細胞の培養を試みているのでいつかは成功する技術だと思います。
しかし、死を身近に感じた人々には「いつか」を待つ時間はないのではないでしょうか?
そういった人々が希望を託していた技術を、もとからないものとするのは無理でしょう。
そんなこともわからずに、いけしゃあしゃあと嘘をついていた神経には怒りを通り越して呆れます。
税金をもらって研究するのだから、せめて正直にありたいものです・・・

さて、今回の騒動ですがひとつだけ認められたことがあります。
それは、「クローン犬は本物だった」と言うことです。
詳しくは
クローン犬も嘘だったかも!?

彼の業績はこの点だけかもしれないですねぇ・・・


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2 コメント

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それでは・・・ (toxin)
2006-01-11 02:52:39
結論が出たことで私もコメントを・・・



まずは、研究者としてはやっちゃいけないことですよね、自分はそんなことしないように気をつけます



クローン犬は実在は、まぁよかったようなどうでもいいよーな



ヒトES細胞については、いつか作られるでしょうが、その人へのプレッシャーがかかりますね



あとは、黄教授はもちろん、その下の学生さん、ソウル大学はどうなってしまうのか気になりますね



1つの出来心、1つの嘘が身を滅ぼし、取り返しがつかなくなってしまいましたから
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びっくり。 (ゼノムスカ)
2006-01-15 18:05:30
生物をほんのちょっぴりかじった私としてもこのES細胞の培養成功の話は興味を抱いておりました。



まさかまさか全部嘘だったなんてびっくりですのぉ。。。



この発表に希望を抱いていた人たちの失望たるやどれほどのものでしょう…



私はこの記事をyahooで発見し、仕事中というのも忘れかじりついて読んでしまいましたよ。



私はクローンには反対な人間ですが、ES細胞が作れる時代がきたらそれほどすばらしいことはないのでしょうなぁ~
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