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龍の末裔 第4話

2005-06-09 | 小説
ふいに声がした。
「よう、じいさん。起きたか。」
 振り向くと一人の青年が立っていた。まだ若い、少年といっても良いくらいの年頃だ。黒髪に黒鳶の瞳、東の民の血が混ざっているらしい。
 「ここは・・・?」
 「砂漠にぶっ倒れてやがったからな、拾ってきてやったんだよ。それにしても砂漠をシパックなしで越えようなんて無謀を通り越してアホだなぁ。例えるならば、ライオンが狙っている獲物を横取りした・・・」
青年の言葉をさえぎるかのように男が口を開いた。
「そうか・・・、君が私を・・・。ありがとう、助かった。・・・ところで今は光白暦で言うと何日だ?」
せっかくの比喩を邪魔されて少し不機嫌になりながらも青年が答える。

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