イブの夜の密会

その困ったTALBO BASSをとある方にお預けしました。
高松は多肥、一見普通の住宅にしか見えない
家の一角にスタジオを持つH氏。
その工房へお邪魔し状況を説明。
何と氏は発売当時のこのベースを弾いた事があるのだと言う。。。

H氏の推理によるとこのベースは元々コイルの巻き数が少なく、
出力の小さな構造でそれをプリアンプで増幅する構造なので、
前オーナーは癖のある内蔵プリアンプを嫌ってわざとスルーさせ、
外付けプリアンプを使ってゲインを上げていたのではないか...? と。
その方がよりクリアーで透明感のある音になるとの事。
......そんな事思いも寄らなかった。。。
ピックガード外して中を見て「いいポッド使ってるな～」って....ポッドにいいも悪いもあるの？
「普通一個３００円くらいの物だけどこれは８００円くらいの使ってる」って。。
知らないってふつう。。。そうかと思えば
ネックのジョイントやブリッジの構造が普通じゃない所に気付いて、
「へー。そう言う事かぁ～」って妙に感心したり。。。
なんかこの人、目の付けどころが違う。

そんな話をしながらH氏はずっとタルボを弾いている。
その試し弾きする指の軽やかなこと軽やかなこと。
元々プロを目指してたって聞いた事はあったけど。
上手い！上手すぎる！
ペキペキハキパキ話しながらずーーーーーーっとスラップしてました。
「このベースいいね～。弾いてて飽きないよ。」
そうでしょ。そうでしょ。そうなんですよ。
「岡野ハジメが昔弾いてたよね」って知ってるよこの人！
「スペースサーカスのアナログ盤テープに起こしてCDーRに焼いたよ」って、
えーそっちも知ってるの？！

と。突然、作業台の横に無造作においてあったプレベを何げに渡される。
ホコリだらけで汚い。。。ん？コレUSAのオールドもんじゃん！
76年製との事で異様に太くて重い丸太のようなネックとそれに反して軽くて良くなるボディ。
バランスは悪いけどとっても引き心地のいいベース。なんでこんなの転がってんだ？
僕はなんかプレベだめな人なんですけど。アレは良かったな。。。

夜も遅かったんで症状だけ伝えてすぐ帰るつもりが、小一時間色々お話してしまいました。
「とりあえず中開けてよく研究してみるよ。」って事でお預け。
さて、無事直りますでしょうか。。。っと言うかH氏なら何とかしてくれそうな気がします。
何となくこの人にお願いしたらいいんじゃないか？程度でお伺いしたのですが大正解だったようです。

あと、昔レコーディングしてた鍵猫の事を憶えてくれてて、
いいバンドだよね～もうやんないの？　って...何か恐縮しちゃいました。

しかし、イブの夜に何やってんだか。。。さ。猫とケーキでも喰うか。

H氏の右手親指に出来た突起物（スラップやりすぎで飛び出してしまった軟骨）が愛おしく思える夜でした。