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 本は私の人生の友・・・

『詐欺師の誤算』

2024年05月22日 | 

(これが表紙の正しい位置です)

著者 笹倉 明

返済の約束は再三にわたって破られたが、その日には間違いなく入金される予定であった。

銀行に入金を確かめるため、玄関を出ようとしたその時、電話が鳴った……。

受話器をとると、その男は「警視庁の者」だと名乗り、金を貸している「相手の名前」を告げ、

「知っているかどうか」を訊ねてきた。……それが、事件の始まりであった。

 

>いくら大金を もって逃げても、追われる身は決して休まらないはずだ。

 

(著者あとがきより)

>在タイ十年にして さらなる転身を「出家」という形でなすことになります。

以来、早々と七年の月日が流れ、ポツポツと再び作家としての仕事ができそうな気配となってきたことから、

一時帰国した際、実家(兵庫県)の書斎にホコリをかぶって眠っていた本稿を引っぱり出して眺めてみれば、

過去の出来事とはいえ、テーマは少しも古びていない、むしろ今こそ、日本の空をサギが飛び交う世にふさわしい、という感想を抱きます。

これを復活させたい、と……。

人を騙して金品を奪う「嘘つき」行為は、仏教の在家へ向けた「五戒」における「殺し」や「盗み」とも肩を並べる悪行であり、タイでは日常的に説かれます。

昨今は ますます悪知恵がエスカレートしているのをみると、この出来事は いわば詐欺の先駆け、原風景といえるものだと思います。

 

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